「引退した仲間の分まで」 椎体骨折から復帰を目指す障害ジョッキー・難波剛健

公開日:2024年3月19日 18:00 更新日:2024年3月19日 18:00

昨暮の阪神で第4胸椎骨折の大怪我

「引退した仲間の分まで頑張りますよ」

 火曜朝の栗東で、騎手・難波剛健は、やる気に満ちた笑顔を見せた。

 同騎手は、昨年の12月16日の阪神4R・障害戦のレース後半、向正面の8号いけ垣障害の着地で騎乗馬が転倒して落馬。第4胸椎の椎体骨折で休養を余儀なくされていた。

「神経に触れない割れ方だったことが幸いでしたね。手術しなくても済みました。丸まったり、捻ったりはできないので、胸から上、首までコルセットで固定して過ごしていました」

 それでも休養、リハビリ期間中は実戦復帰への情熱が沸々とわいたそうだ。

「自分の落馬負傷で、次の日に乗る予定だったエンデュミオンは水沼で勝ちましたしね。悔しい気持ちも。常にレースは見ていて、乗りたい気持ちは強くなっていきましたね。自分ならああ乗る、こう乗ると考えながら」

 医師からの許可が出て、先週の木曜日から調教に復帰した。もちろん、トレードマークでもある師匠・高橋成忠師(11年2月末に定年)の桃、白鋸歯形厩舎服を着て。明るい表情からも馬に乗ることができる喜びが伝わってきた。やはり、騎手は馬上が一番だ。3週間のトレセン調教を積み、自身を整えてから4月6日の福島競馬で実戦へ復帰する予定。

「ホント、これくらいの怪我で長く休んでいたら熊沢さんに笑われますからね。これから10年は元気に乗るつもりですし、また応援して頂けたら嬉しいですね」

 そう話して冒頭の言葉となった。

 障害ジョッキーは、2020年が浜野谷に山本康。21年は佐久間、三津谷。22年は植野、柴田未で、昨年は平沢、熊沢。今年は北沢に高野和と引退が続く。

 減りゆく障害騎手だけに復帰には重責も伴うが、まずはひと鞍、ひと鞍を無事にだろう。実際、難波の障害882戦のキャリアは現役騎手では上位。おのずと次の1勝、障害68勝目はついてくるはずだ。

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