【フェブラリーS】超ハイペースが呼んだ大波乱 11番人気ペプチドナイルGⅠゲット
公開日:2024年2月19日 14:00 更新日:2024年2月19日 14:00
重賞未勝利、初のマイルでも大仕事
24年のGⅠは超ド級の大荒れから始まった。
フェブラリーSを制したのは11番人気、単勝38倍のペプチドナイル。②着は今回が初ダートの5番人気ガイアフォースと比較的、上位人気だったが、③着は武豊騎乗でも13番人気にとどまったセキフウ。3連単は153万500円の大荒れスタートとなった。
この波乱の要因はいろいろと考えられるが、1番人気オメガギネス、2番人気ウィルソンテソーロ、3番人気ドゥラエレーデの敗因は別稿に譲るとして、まずはドンフランキーのつくった超ハイペースがひとつの要因ではないか。
前半3F通過は33秒9で、京都の千二のオープン特別・大和Sの34秒2よりも速いのだ。
ちなみに、最後方にいたレッドルゼルの5F通過が59秒6と1分を切っている。全体的に前掛かりになり、前に行っていた馬はバテるが、かといって後ろの馬も脚がたまらないペース。そんな流れの中、4番手から押し切ったペプチドナイルは説明のつかない強さ。これはもう、勝ち馬を褒めるしかない。
ただ、これが初のGⅠ勝ちとなった武英師は、「ほんと、自信はあったのに人気がなかった」と笑ったとか。
転機となったのが昨年の最終戦、ベテルギウスSか。59キロの酷量を背負い、3番手から4角では5番手にいったん位置を下げる競馬。馬群を割って差し切り、逃げ一手から脱却した。
とはいえ、今年初戦の東海Sで⑥着に負けたことにより、11番人気の低評価に。道中で力んだのが敗因とはっきりしていたものの、マイル経験がなく、重賞勝ちもない。それでも外めのもまれない位置でうまく流れに乗り、ハイペースになったことで中距離で戦っていたスタミナが生きた。そして一気にGⅠウイナーとなったのだから、競馬は面白い。
6歳で頂点に立ったペプチドナイル。この先は挑戦を迎え撃つ立場だ。その時にどんな競馬となるのか。また、今回対戦していない強豪もたくさんいる。次走は真価を問われる戦いになる。