【中京記念】鍼治療に攻め強化 ダノンスコーピオンが坂路で11秒台を連発するようになった理由

公開日:2023年7月19日 14:00 更新日:2023年7月19日 14:03

毎週末の長鍼治療で「刺激を与え、攻めてトモを使わせる」(安田調教助手)

 本日、中京記念組が続々と追い切った。

 各馬の動きは別掲の速報のとおりだが、大きく見出しを飾ったのは昨年のNHKマイルC馬ダノンスコーピオン。

〝これで復活なるか〟

 この中間、陣営はGⅠ馬の復活に向け、並々ならぬ創意工夫を凝らしてきていた。

 そのひとつが鍼(はり)治療。人間でも肩こり、腰痛の療法のひとつとしてあるが、実は競走馬を含む動物の世界でも東洋医学は使われている。

 経穴(ツボ)や、痛みの原因部位であるトリガーポイントに鍼を刺入。刺激を与えて、血流障害や筋肉の凝りをほぐすもの。

 ダノンの場合は、長鍼治療。長い鍼を使用することでインナーマッスル(深層部の筋肉)の凝りをほぐし、締めつけられていた神経、血管の流れを改善することで、制限のかかる可動域を調整する。

「もともと、右トモの緩さが目立つ馬ではありましたが、左に比べ、右トモの踏み込みが浅かった。安田記念(⑬着)は調教で首が左を向き、肩から右に張って行っていました。鍼で刺激を与え、トレーニングしないでは成果が出づらいということで、あえて今回は攻めています。トモを使わすことで刺激を与える感じです」(安田助手)

「一歩、一歩の踏み込みにいい意味で重厚感、力強さが出ました」(安田助手)

 鍼治療を毎週末、行って、調教を重ねて行く。陣営の不安材料を消していくための在厩調整。

 これが実際に良化を生んだ。トモが緩い場合、追っての動き出しにタイムラグが発生し、一気の瞬発力は生まれない。中間のダノンは、けさの坂路ラスト11秒9を始め、中間に6度とコンスタントに11秒台をマークしてきた。4Fで言えば、60秒台のスローラップでも53秒台でも。どこからでも踏めば、加速できる形ができているのだ。

「すごくよくなっているのを感じます。よくない時は調教でも最後に時計がかかる感じでしたからね。余裕のある中で11秒9も出ています。前走までは素軽すぎる感じでしたが、一歩、一歩の踏み込みにいい意味で重厚感、力強さが出ました。どんな競馬をしてくれるか、楽しみです」

 坂路11秒台連発の裏には理由があった。それは、GⅠ馬としての重み。簡単に負けさせられない陣営の意地でもある。

 昨年のNHKマイルC以来となる美酒を味わうことができるか、注目だ。

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