【七夕賞】勝って今週も大サイン会!? 先週の福島でファンサービスに努めた幸がセイウンハーデスで初重賞獲りに挑む
公開日:2023年7月6日 14:00 更新日:2023年7月6日 14:00
先週の福島で50分にもわたるファンサービス
今年の5月、競馬ファンにはうれしい〝日常〟の光景があった。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類と引き下げられたことを受け、各競馬場のウイナーズサークルでは勝利騎手がファンへのサインに応じる姿が戻ってきたのだ。ファンにとってはジョッキーをより身近に感じられる瞬間だろう。
そこから、8週間が経過した先週の日曜福島でこんなシーンが見られた。騎手・幸英明の大サイン会だ。
こう書くと少し大げさだが、幸は6Rの2歳新馬戦をビッグドリームで勝利。7、8Rで騎乗馬がいなかったため、その後も約50分にもわたってファンのサインに応じたというもの。〝人情派〟幸らしい光景だった。
前出のビッグを管理する西園正師も、この話を耳にして、
「偉いよね。騎手時代は一緒にレースも乗っていたし、厩舎の開業時から乗せてきたけど、真面目な性格。勝てなかった時はまず『すみませんでした』と引き揚げてくるんだよ。常に、人にも馬にも感謝の気持ちを持って競馬に乗っているからね。これは素晴らしいこと。乗せていて気持ちがいいんだ」
こんな人となりを教えてくれた。
幸は、この日曜も福島にいる。七夕賞のセイウンハーデスの手綱を取るためだ。
同馬とは、2歳10月のデビューから9戦連続して騎乗し、ともにクラシックの道を歩んできた間柄。デビュー勝ちにプリンシパルS、競馬法100周年記念で計3勝を挙げているが、重賞では毎日杯(④着)、日本ダービー(⑪着)、セントライト記念(④着)、菊花賞(⑰着)ともうひとつ手が届いていない。
前走の新潟大賞典では②着と連対しているが、これはNHKマイルC(タマモブラックタイ⑩着)と同日とあって、津村が騎乗していた。再コンビで10戦目、5度目の重賞挑戦だけに〝何としても初タイトルを〟の思いは間違いなくあるだろう。
木曜坂路では初重賞を狙える動き
実際に、セイウン自身の調子も間違いなくいい。
3週前の時点で坂路4F52秒9を出し、前2週はCウッドで併せ馬。先週は6F80秒6―36秒0、1F11秒0を伸びのあるフォームでマークしている。
最終追いはけさの坂路。外ラチいっぱいを4F53秒7―12秒3と我慢を利かせながら駆け抜けた。力強さが目立つ最終追いだった。
橋口師も「予定どおりの時計。集中力もあり、言うことないですね」と状態面に太鼓判を押した。初重賞Vを狙える状態なのだ。
勝って、再度の〝福島サイン会〟が開かれるか。ただし、重賞ではレースの確定後に検量室前、ウイナーズサークルと2度の勝利騎手インタビューがあり、案外、自由な時間は少ない。また、50分後の最終レース・彦星賞でカジュフェイスにも騎乗するから、なおさらだろう。
果たして、最終レースの終了後にファンサービスの〝延長戦〟があるのだろうか。もちろん、これは勝ってみてのお楽しみ。
あの〝幸スマイル〟を間近で見つつサインをもらえるファンにとっては「お願い、勝って」と願う七夕賞となりそうだ。