【天皇賞・春】データ派・新谷が徹底分析(日経賞)

公開日:2023年4月24日 14:00 更新日:2023年4月24日 14:00

 今週から春のGⅠシリーズが再開。まずは新装の京都競馬場で行われる天皇賞春だ。長丁場の三千二百メートルを制するのはどの馬か。さまざまな路線があるが、どのレースを重視すべきか、データ派新谷が徹底分析する。

名馬と肩を並べるほどタイトルホルダーだけが強かった

 過去10年の天皇賞春を振り返れば近年の王道となっているのが中山二千五百メートルを舞台にして行われる日経賞だ。

 日経賞組は4勝②着2回③着3回。直近3年が特に成績が上がっており、20年は②③着。一昨年は①③着で、昨年は①着が日経賞組だ。

 今年制したのはタイトルホルダー。昨年は日経賞を勝って、天皇賞春、宝塚記念と連勝を続けた。日経賞連覇となった今年だが、走破時計は2分36秒8。昨年は2分35秒4で1秒4劣るが、昨年の稍重に対して、今年は不良まで悪化した中でのものだから単純比較はできない。

 ただし、個人的には昨年よりも数段上のレース内容だったと感じている。

 ②着以下につけた着差は8馬身差の1秒3差。条件戦ならまだしも重賞、しかもGⅡでこの着差は驚異的なことなのだ。

 芝のGⅡ、GⅠで1秒3差以上となると、13年有馬記念オルフェーヴルまでさかのぼるほど。その前は03年有馬記念シンボリクリスエスで直近ではちょうど10年に1度記録されるほどのものだ。グレード制導入後でもマックスビューティやサッカーボーイ、サイレンススズカなど名馬がズラリ。それらと同等の着差だったということ。

 しかもタイトルホルダーの場合は恵まれてではなく、逃げてマークした正真正銘の自力の時計だ。しかも不良馬場ながら、ラスト7Fは1F12秒台を続けて直線はさらに楽にペースアップ。ラスト2~1F間で11秒9もマークしている。不良馬場で逃げ馬がこのラップを刻めば他馬が勝負にならないのは明白でもあった。今年の日経賞は不良を加味すれば、レースレベルが高いのだが、それはタイトルホルダーだけがハイレベルの走りだったということでもある。

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