キタサンブラック産駒は牡馬が走る傾向が
公開日:2023年4月20日 14:00 更新日:2023年4月20日 14:00
他にもこんな種牡馬がそう
先週の皐月賞を制したソールオリエンスの父はキタサンブラック。初年度産駒にはあのイクイノックスがおり、これで2世代連続で大物を出したことになる。
実はその皐月賞がキタサン産駒のちょうどJRA100勝目。ダートが31勝だから芝よりはやや少ないが、短距離タイプからイクイノックスのような長距離をこなす馬まで、本当にいろんなタイプが出る。ソールオリエンスの皐月賞のように、道悪になってもOKだ。
ただ、キタサンブラック産駒のあえて気になる点を探せば、牡馬に比べて牝馬の活躍馬が少ない点か。
言うまでもなく、イクイノックス、ソールオリエンスとも牡馬。ここまでJRAで重賞を7勝しているが、牝馬はわずかに1勝だけ。現3歳のラヴェルが2歳時にGⅢアルテミスSを制したのみである。
同じ世代にコナコーストがおり、こちらはGⅡチューリップ賞、GⅠ桜花賞で連続②着。「走るのは牡馬だけじゃない」というところを見せてほしいが……。
キタサンブラック産駒の牝馬にはもう一点、特徴的なところがある。それは「マイラーが多い」である。
牝馬の全34勝中、マイルで11勝。千四5勝、千七3勝、千八6勝で、千四~千八で25勝になる。
では、それ以外の9勝はというと、千1勝、千二6勝。つまり、二千メートル以上では2勝のみ。〈27775〉と、かなり数字が悪い。
牡馬の方が走る種牡馬は他にもいる。メジャーなところではハーツクライがそうだ。
牝馬でもリスグラシュー、ヌーヴォレコルトと2頭のGⅠ馬がいるものの、牡馬はスワーヴリチャード、ジャスタウェイ、ドウデュースがGⅠを2勝ずつ。他にもシュヴァルグラン、サリオス、ワンアンドオンリー、タイムフライヤーがGⅠウイナーに。重賞82勝中、牝馬はわずか18勝にとどまっている。
現在、種牡馬としてトップの位置にいるロードカナロアもその傾向だ。「アーモンドアイがいるじゃないか」と言われそうだが、産駒の牝馬のGⅠ勝ちはすべてアーモンドアイによるもの。
重賞58勝のうち、牝馬は18勝で、アーモンドアイを除くと重賞勝ちはすべて千六以下。トロワゼトワル、イベリス、レイハリアなど、マイラー、もしくはスプリンターばかりとなる。
ダート馬ではホッコータルマエが牡馬80勝に対して牝馬は30勝。こういう偏りは馬券に必ず役に立つので、ぜひとも頭に入れておいてほしい。