課題は道中の力みだけ

　中京で行われた明け３歳馬のＧⅢきさらぎ賞を制したのはフリームファクシ。３連勝でタイトルを奪取した。

「ずっと力んで走っていて」

　そう話したのはレース後の川田。確かにスタート直後から前進気勢の目立つ走りだった。ゲートで後手気味のレミージュが押して押して行ってくれたからよかったようなものの、もし控えていればハナに立つ競馬になっていたかもしれない。

　しかし、ムダな力を消費しながらも道中２番手から直線は早め先頭。そして最後までしのいだのだから、脚力の高さはＡ級だろう。

　実際に川田も「ポテンシャルはＧⅠに手が届きそうと感じています」と話す。気性の課題は残しているが、クラシックへつながる勝利だったのは確かだ。

　この勝利でもうひとつ強調できるのは、管理する須貝厩舎の“駒”の多さか。

　きさらぎ賞勝ちを含めて現３歳世代は１９勝と東西トレーナーでトップ。勝ち上がり頭数は１２頭でフリーム以外にも朝日杯ＦＳ勝ち馬のドルチェモアはもちろん今年のＧⅠが視野に入る存在だ。ダートで圧勝続きのユティタムも大きいところを狙えそう。他にもショウナンバシットやカルロヴェローチェなど、すでに勝ち上がったうちの半数である６頭がオープン馬。まさに“須貝の春”を予感させる。

　一方、②着に敗れたオープンファイアも直線は見せ場あり。ラスト３Ｆ３３秒８と、いかにも走るディープ産駒特有の素晴らしい瞬発力で頭差まで追い込んだ。ポテンシャルの高さを存分にアピールしたのではないか。

　ただし、②着だったことによって収得賞金は１２００万止まり。クラシックに向けて十分な数字とはいえず、どこかトライアルなどを挟む必要がある。フリームファクシが気性なら、こちらは賞金が課題として残った。