【シルクロードS】ナムラクレア文句なしの勝利で本番は視界良好

公開日:2023年1月30日 14:00 更新日:2023年1月30日 14:00

56・5㌔でも上がり32秒9

 中京で行われた高松宮記念の前哨戦となるシルクロードSを制したのは4歳牝馬のナムラクレアだった。

“普通”に走ればスプリント能力は一枚上だったということか。

 3歳の昨年は桜花賞③着後、短距離路線に矛先を向けて、函館スプリントSでは初の古馬相手に楽々と2馬身半差と、その能力を知らしめた。

 ただ、その後は足踏みすることに。

 北九州記念は馬混みでの競馬で誤算は4角から直線。前が横いっぱいに広がって進路が消されてしまった。最後は内へ切れ込みながら猛追の③着で、“スムーズなら”という結果に。

 さらにスプリンターズSも噛み合わなかった。内有利の馬場で外を回らされるロス。その分、0秒2差届かずと不完全燃焼が続いていた。

 それが今回は鞍上・浜中のエスコートも完璧。道中は中団でじっくりと構えて4角から直線も外を回さずロスなく誘導。直線では簡単に進路を確保すると、「いつものいい瞬発力でした」の浜中の言葉通りの伸び脚でフィニッシュだ。ラスト3Fはメンバー唯一の32秒台だから、強さが光ったと言っていい。

 スプリント重賞3勝目となるこの勝利は前2走のうっ憤晴らしになっただけでなく、本番へ最高のステップにもなった。

 実はレース前まで左回りの経験はデビュー戦の新潟だけ。その後は右回りばかりで、出走機会がないままだった。それが久々の左回りどころか、高松宮記念と全く同じ舞台でこの完勝である。

 さらに背負っていたハンデは56・5キロ。牡馬換算なら2キロ増の58・5キロにもなる酷量ながら、ラスト3F32秒9で、勝ち時計も昨年のメイケイエールより0秒8速い1分7秒3。まさに驚異の記録だ。

 本番では56キロ。わずかながらでも斤量減で走れることになり、「次のGⅠと同じ舞台で、自信になりました。このまま無事にいってくれれば」。

 浜中の言葉通りに視界良好というしかない勝利だった。

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