【阪急杯】浜中と北村友 ジョッキー2人の明と暗

公開日:2020年3月2日 17:00 更新日:2020年3月2日 17:48

 開幕阪神で行われた阪急杯は6番人気のベストアクターが重賞初V。昨年10月に2勝クラスを勝ち上がったばかりの6歳馬が、3連勝で重賞までブッコ抜いた。

 鞍上の浜中の手腕も光った。好スタートを決めると、道中は中団の内め。直線半ばで馬場の中央から抜け出して、前にいたダイアトニック、フィアーノロマーノの人気どころをとらえ切ったところがゴール。初騎乗でも持ち前の瞬発力をフルに生かした好騎乗だった。

 その浜中にとって、この1勝は大きな意味も持つ。12年には131勝を挙げJRA全国リーディングにも輝いたトップジョッキーの一人だったが、一昨年は重賞未勝利。昨年もダービージョッキーの称号こそ手にしたものの、年間勝利数は自身ワースト2となる48勝。さらには11月の京阪杯で落馬負傷。14カ所に及ぶ骨折の重傷を負ってしまった。先月19日にようやく調教での騎乗を再開したばかりで、先週が復帰初週。土曜日こそ未勝利に終わったが、日曜は6、8Rと連勝して、この阪急杯でうれしい重賞V。「勝つのが一番の薬です」と話したように、完全復活へ向けて幸先のいいスタートを切れた。

 一方、“明”の浜中に対し、“暗”になってしまったのが1番人気ダイアトニックに騎乗していた北村友。早め先頭から②着に入線したものの、斜行による進路妨害で③着降着に。結果、3月14日から28日まで15日間の騎乗停止(開催日では6日間)となった。

 昨年はGⅠ3勝とブレーク。それが今年は年明けから結果が出ず、1月には騎乗停止も食らって2月半ばまでなんと未勝利。京都記念=クロノジェネシスで今年の重賞初勝利を挙げて、ようやくエンジンが掛かってきた時に、今年2回目の騎乗停止に。高松宮記念から始まるGⅠシリーズに間に合うのが救いだが、それらの大一番で昨年のような鮮やかな騎乗ぶりが戻るのか、注目しておきたい。

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