日曜京都では牡馬クラシックの最終戦GⅠ菊花賞が行われたが、まずは気になったこちらのレースを取り上げたい。
それが土曜に京都で行われた2歳1勝クラスのなでしこ賞だ。スカイメテオの勝ち時計は1分22秒9のレコード。不良馬場で時計が出やすかったとはいえ、2歳ダート7F戦のJRAレコードを約10年ぶりに更新する優秀なタイムだった。
時計が速いというのはもちろんだが、注目したいのは父マテラスカイという点だ。この名前を覚えている人も多いかと思うが、父も7Fダートのレコードホルダー。不良馬場のプロキオンSで従来のJRAレコードを1秒2更新する1分20秒3という驚異的なタイムをマークしている。その後、盛岡のクラスターCでも1分8秒5の日本レコードをマークしたダート短距離界の快速馬だった。
GⅠ勝ちこそなかったものの、そのスピードが評価され種牡馬入り。初年度から128頭に種付けと人気を集めていたほどだ。ただ残念なことに父は24年に10歳で急死。現1歳世代がラストクロップで、わずか3世代しか残せなかったのだ。そんな中、今年はファルコンSでデアヴェローチェが重賞初制覇。さらには、今回のスカイメテオのレコードVだ。少ない産駒の中から父のスピードを受け継ぐ馬が出てきたのは光明といえる。しかもデアヴェローチェは牝馬だが、スカイメテオは牡馬。早逝した父の血をつなぐ意味でも、今後の活躍を期待したい。
菊花賞でコントレイル産駒がGⅠ初制覇
菊花賞の最大の注目はロブチェンの3冠達成なるかだった。だが、まさかの⑭着で、史上9頭目の偉業達成とはならなかった。
最大の誤算はスタートで出遅れたことか。東京のダービーを勝っているとはいえ、ワールドプレミア産駒で母系は米国血統。決して切れる配合ではない。それでも人気薄の立場なら動かず末脚に賭ける競馬の選択肢もあったかもしれない。ただ、2冠馬として勝ちに行くためには、道中⑫⑧⑤と自ら動かざるを得なかった。
父は長距離でGⅠ2勝を挙げているが、ロブチェンは母系が米国スピード配合。父ほどのステイヤー寄りの配合ではなく、この競馬ではラストの失速もやむなし。あらためて3冠達成の難しさを思い知らされた一戦となった。
一方、勝ったゴーイントゥスカイは父が3冠馬のコントレイル。初年度産駒からGⅠを出してきた。
産駒のデビュー前は早い時期から動ける中距離馬かと思っていたのが、蓋を開けてみると産駒の重賞初制覇は3歳になってから。重賞勝ちも芝はすべて二千㍍以上と、晩成型で距離が延びていいタイプだったから分からないものだ。
ゴーイントゥスカイにしても母の父がタピットで、アンブライドルドの4×4のクロスを持つ配合だ。パワーを伝えるクロスで良馬場でも雨上がりでパンパンでない状態の馬場もマッチしたのではないか。なにより、中団の内でジッと脚をためられたこともラストの伸びにつながった。コントレイルは今年の種付け頭数が90頭と初年度205頭から半数近くまで減っていただけに、大きなGⅠ初制覇になったのではないか。
②着はキタサンブラック産駒のバステール。ダービー馬は敗れたものの、結局、ダービー③④着馬が連対しており、春の実績馬が強かったということだろう。
母マンビアは繁殖として優秀で、JRAでデビューした8頭すべてが勝ち上がり。ただし半兄ダノンジャスティスは千二~千四で4勝。全姉ミッキーハーモニーも全4勝が千二のスプリンター。バステール自身は二千で2勝も短距離馬を出す母系だけに三千は長いかと思っていたのだが、ハーツクライ産駒で中距離で4勝を挙げた半姉のサンテローズに近いイメージなのだろう。将来的には中距離戦が主戦場となってくるか。
③着が2番人気のダノンヒストリー。半兄に共同通信杯勝ち馬のダノンベルーガ、半姉に秋華賞②着のボンドガールがいる良血だ。春クラシックは不出走だったとはいえ、新馬戦でのちのスプリングS勝ち馬アウダーシアを負かしたように、良血馬らしくいいセンスをしている。父エピファネイアだから、結果的に今回の上位3頭は父も菊花賞馬だった。近年はドゥラメンテ産駒が強く21年から昨年までの5年で3勝を挙げていたのだが、同産駒は昨年の3歳世代がラストクロップ。今後は素直に菊花賞馬の産駒を中心に見ていくのが正解かもしれない。
プルヴィナルはワンターンで直線の長いコース向きの配合
土曜は東京で2歳重賞のアルテミスSが行われた。勝ったのは1番人気のプルヴィナルだ。
デビュー戦は中山の千八で勝ったが、東京替わりは間違いなくいいイメージがあった。祖母クルソラの産駒にはJRAで6勝を挙げたピオネロがいるのだが、東京、阪神外回りで4勝。母クルミナルも京都外回りでデビューから2連勝。ワンターンで直線の長いコースを得意とする馬を出す母系なのだ。ちなみに母の全妹クルミネイトの仔でプルヴィナルと同じモーリス産駒のアルテヴェローチェは今回と同舞台のサウジアラビアロイヤルCの勝ち馬。配合的に東京マイルはピッタリなのだ。
アルテヴェローチェは3歳時に中京マイルで行われたシンザン記念、阪神マイルのチャーチルダウンズSでも②着と好走している。プルヴィナルも来春が楽しみになる勝利だった。
②着は10番人気のローズサルーテ。父はディープインパクト直子でダービー馬のロジャーバローズ。父はダービーを2番手から押し切った先行タイプだったが、産駒は東京芝で最多の8勝を挙げている。重賞での好走例もオーキッドロマンスが東京、中京の7F戦で②③着。さらに今回の東京マイルだから、やはり良績は直線の長いコースに集まっている。ローズサルーテは母の父クロフネと東京マイル重賞と相性のいいデピュティミニスター系でもある。こちらもデビュー戦は中山で勝ち上がったが、東京替わりが良かった1頭だといっていい。





























