【有馬記念】ドウデュース最高潮で迎えるラストラン

公開日:2024年12月16日 14:00 更新日:2024年12月16日 14:00

青天井の上昇で秋古馬3冠達成

 これまで数々のドラマが生まれてきた有馬記念。今年の主役はもちろんドウデュースだ。この秋は天皇賞、ジャパンCと圧巻の強さで連勝して、秋古馬GⅠ3冠にリーチをかけた。ファン投票では史上最多の47万8415票を集めた現役最強馬も、ここが引退レースとなる。史上5頭目の有馬記念連覇で、有終の美を飾るか。

 ついにドウデュースがラストランを迎える。

 2歳時の朝日杯FSでGⅠ初勝利を飾ると、翌年はダービー制覇で世代の頂点に。そして昨年の有馬記念では大マクリで復活Vと、大一番できっちりと結果を出してきた。まさに日本のエースであり、現役最強馬と言って間違いない。

 迎えた今秋は、その称号にふさわしい走りを見せている。

 秋初戦となった天皇賞では、4角13番手からの直線一気でGⅠ4勝目をマーク。上がり3Fは何と32秒5! これは歴代GⅠ勝ち馬の中で見ても、最速の数字だから恐れ入る。まさに希代の鬼脚であり、5歳秋にしてパワーアップしている印象を受けた。

 続くジャパンCでは4角手前から動き出しながら、上がり3Fを32秒7でまとめてきた。前半5F62秒2の超スローペースを全く問題にしなかったから強いのひと言であり、その末脚はまさに展開不問。今や弱点らしい弱点が見当たらない。

 いよいよ迎えた暮れのグランプリ。もちろん状態も最高潮だ。

 天皇賞から在厩での調整が続いていても、すこぶる快調。レース2日後には早くも引き運動を行い、水曜には乗り始めるタフネスぶり。担当する前川助手が「ジャパンCを使って、さらに元気になってる。元気すぎて困るぐらい(笑)」と言うほど、青天井の上昇を見せている。

 1週前追い切りはいつも通り武豊を背にCウッドへ。序盤は僚馬アドマイヤソラを2秒追走する形でも「変にイレ込むことはなく、力みもなかった」とは鞍上だ。向正面から徐々に前との差を詰めると、直線は重心を沈めてグングン加速。持ったまま回転数を上げていき、ラスト1Fを11秒0で締めた。

「何も心配なことはない。もう1年、(現役で)いってもらいたいぐらい」

 5歳秋にして、いよいよ競走馬としての完成域へ達したドウデュース。秋古馬3冠達成で大団円を迎える。

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