【マーメイドS】個性派アリスヴェリテ勝利を呼び込んだ永島の強気逃げ
公開日:2024年6月17日 14:00 更新日:2024年6月17日 14:00
成長曲線と好騎乗が見事にマッチした
京都で行われた牝馬のハンデ重賞、GⅢマーメイドSを制したのは永島まなみ鞍上のアリスヴェリテ。逃走劇でそのまま押し切ってみせた。
1番人気に推されていたのはエーデルブルーメ。管理するのは福永師で、勝てば調教師としては初めての重賞制覇。それだけにファンの注目度も増していた。
だが、フィニッシュラインでその2馬身前にいたのがアリスヴェリテ。手綱を取った永島はこれが10度目の重賞挑戦で、結果的には福永師の前に立ちはだかって、初タイトルを掴んでみせた。
もちろん、50キロの軽ハンデが後押ししたのも確かだが、それ以上に永島の騎乗スタイルは満点とも言えよう。
13番枠で決して有利とは言えない外め。しかもスタート後は最内枠のベリーヴィーナスが先手を主張してきた。それでも“先輩”に日和らず、引かなかったのだから度胸がある。
ハナを取り切ると、道中は3F通過が34秒8で5F通過は58秒3。スローに落とし込むのではなく、持ち味を生かし切る強気の逃げを打った。
これが結果的には大正解で、最後まで後続に影も踏ませずに逃げ切り。「(勝った)人馬を褒めるしかないですね」はエーデルブルーメに騎乗していた川田の言葉でもあった。
トップジョッキーを脱帽させた好騎乗や軽ハンデがあったとはいえ、馬も成長曲線を描いているか。前走の2勝クラス勝ち当時がプラス10キロで、デビュー以来、最高馬体重。そして今回もさらに増やしてそれを更新。パワーアップしてきた4歳のこの時点で、逃げという確固たる勝ちパターンも身につけてきた。
数少ない個性派ランナーとして、この先も牝馬重賞路線を大いに賑わせるかもしれない。