【セントウルS】ビッグシーザー大舞台へ好発進

公開日:2023年9月5日 14:00 更新日:2023年9月5日 14:00

負荷を上げて乗り込んだ

 3歳ビッグシーザーが古馬撃破を狙っている。

 父はビッグアーサー。サクラバクシンオーの血を引く一頭で、16年高松宮記念を制して2代続けてスプリントGⅠ馬に。シーザーもその血統どおりの軌跡を歩んでいる。

 昨夏の小倉デビューで芝千二を③②着。500キロの大型馬ですぐには勝ち切れなかったが、3戦目でベールを脱いだ。中京が舞台のスプリント戦で1分7秒9のレコード逃げ。そこから、使うごとに強さを増し、福島2歳S、中京2歳SもV。余力を残しての3連勝を決めている。

 明け3歳の初戦でも、さらに連勝を伸ばした。2月阪神のマーガレットSは2馬身差Vと、さらに着差を広げた。その勢いがストップしたのが前走の葵Sで③着。とはいえ、0秒1差で「ウチのは他より1キロ重い57キロ。好発の勝ち馬(モズメイメイ)を追い掛ける展開だったからね。いい経験になったよ」と西園正師にも悲観の色はない。

 秋の始動戦をセントウルSと定め、8月4日に放牧先から帰厩。坂路中心の追い切りをコースに替え、より負荷を上げて乗り込んできた。2週前は6F77秒1。1週前は幸を背に6F82秒0、3F37秒1―22秒8―11秒3。併せた他2頭の外を回って楽に突き放した。動きは目立つ。

「10キロ近く体も増えて、成長している。調教の変化? コースを使えば、体のこなしが良くなり、スピードの乗りも上がるから。順調ですよ」

 古馬を相手にさらに進化した走りを見せるか。そして、トレーナーはこう話す。

「ハクサンムーンの忘れ物を取りに行かないといけないからね」

 ハクサンは西園正厩舎の名物スプリンター。本馬場入場の際、激しく旋回することでファンにも知られた。13年セントウルSで国内外GⅠ4勝のロードカナロアをやぶりながらも、スプリンターズSで逆転を許し、結果、GⅠは8度挑戦して手が届かなかった。

 その先輩ホースの分までも。ビッグシーザーが本番への弾みをつける前哨戦Vを決める。

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