【キーンランドC】1番人気ナムラクレア快勝でも、この組が本番につながらない3つの悪条件
公開日:2023年8月28日 14:00 更新日:2023年8月28日 14:00
札幌で行われた「サマースプリントシリーズ」の第5戦、GⅢキーンランドCは1番人気に推されていたナムラクレアが抜け出して重賞4勝目を飾った。
ここでは力が一枚違った。好スタートを決めると道中は外めを追走。もまれることもなく、スムーズに流れに乗って4角では4番手に。直線は②着シナモンスティックから④着シュバルツカイザーまでの3頭が同タイムの鼻+首差の大接戦の中、力でねじふせるかのように危なげなく1馬身の抜け出しだ。終わってみれば、この馬の強さだけがクローズアップされる完勝だった。
これで全て千二芝重賞で4つ目のタイトル。これは現役最多勝であり、次のターゲットはもちろん、10月中山のスプリンターズSとなってくる。
ただし、ナムラだけでなく、このキーンランドSがいい前哨戦になったかは疑問もある。
今年の札幌開催はもともと芝の根つきが悪い状態。そのため、馬場の荒れが例年より進んでいた。
それに拍車をかけたのが荒天。日曜札幌は午後1時過ぎから雨が降り始めた。その後、1時15分からの1時間で約15ミリもの大雨が集中的に降る時間帯があり、天候調査のためにレースの発走遅延も。結局、決着時計は1分9秒9も要した。
さらに北海道とは思えない異常な酷暑。函館もそうだが、札幌の馬房には新潟、小倉とは違い、エアコンが設置されていない。暑さで10割の力を発揮できていない馬もいたであろう。
そう、今年のキーンランドSは3つの悪条件が重なっていたということだ。要はすべて異常気象によるもの。
本番は普通なら1分7秒台の決着にもなり、今回とは2、3秒ほど時計が違う真逆の馬場になってくる。それだけに、本番直結とは言いづらい面があるのも確かだ。