東西の垣根がなくなる新潟開催は関西馬の独壇場
公開日:2023年7月27日 14:00 更新日:2023年7月27日 14:00
特に強いのは3歳未勝利、古馬1勝クラス
今週、来週は新潟、札幌の2場開催。関西エリアでの競馬は“お休み”とあって、新潟は東西混合の開催となる。
これは暑熱対策の一環で、20年から行われている取り組み。20、21年は3週間、22年と今年は2週間がその対象となる。
この新潟混合開催の特徴は、とにかく「関西馬が強い」だ。
GⅠでは関東馬の勝利も増えた昨今だが、いまだに全体的にみると関西馬の方が上位。さらに、新潟は栗東から輸送しやすいうえに、今年の関東馬は坂路が閉鎖中で使えないというハンデも抱えている。
実際に数字をみてみるとそれははっきりする。対象は20年2回開催、21年は3回開催、22年は2回開催だ。
勝利数の合計は関東馬65勝に対して、関西馬は128勝。ほぼダブルスコアである。
この傾向はどの年も同じ。関東馬の勝利数は20年から順に23、25、17。一方の関西馬は49、48、31なのだ(同着を含む)。
では、さらに具体的に関西馬の狙いどころはどこなのか。
クラスごとでは
東 西
2歳新馬 12勝 19勝
2歳未勝利 11勝 12勝
3歳未勝利 12勝 39勝
1勝クラス 8勝 29勝
2勝クラス 5勝 20勝
3勝クラス 7勝 4勝
オープン 10勝 5勝
ここではオープンは特別、重賞を分けていない。
はっきりしたのは上のクラスは関東馬が強いものの、古馬の1、2勝クラスでは圧倒的な差がついているということ。
特に1勝クラスは関東馬が1番人気になったケースは〈1 1 2 6〉に対して、関西馬は〈13 5 4 6〉。また、2勝クラスの1番人気に支持された関西馬は〈9 3 2 2〉と抜群の信頼性を誇る。この条件では逆らうべきではない。
ジョッキーでは福永が27勝でトップだが、2月をもって調教師に転身。次いで勝ち鞍が多いのが21勝の川田だ。特に芝千六は〈6 1 3 5〉、千八は〈5 2 0 6〉。外回りのこの2つの距離では、とにかく信頼性が高い。
調教師では8勝の清水久、7勝の斉藤崇、6勝の藤原英がトップ3。ただし、清水久厩舎は出走数の43回も東西を通じての最多である点は注意が必要だ。
ただし、ここまで関西馬の強さばかりを書いてきたが、アイビスサマーダッシュの舞台である千直は話が別。この短い期間だけに対象は3年間で12鞍と少ないが、騎手は関東9勝、関西2勝(もう1勝は今年も来日中のホー)、調教師でも関東8勝、関西4勝と東軍優勢の傾向だ。
特殊な舞台だけに、走り慣れたコース、乗り慣れた舞台というのが、この数字に表れているのではないか。