【フェブラリーS】レモンポップ横綱相撲でGⅠ奪取
公開日:2023年2月20日 14:00 更新日:2023年2月20日 14:00
相手に恵まれたとは言わせない
今年初のGⅠフェブラリーSを制したのはレモンポップ。見事、1番人気に応えて、待望のタイトルを掴んだ。
前哨戦の根岸Sを勝った後も陣営は距離適性をしっかり見極めた上で、出走に踏み切った。この判断が大正解だったのは言うまでもない。
もちろん、いつもの正攻法で4番手をキープ。「位置取りは思い描いた通り。とにかく精神的にどっしりしてます」とは坂井。このメンタルの強さこそが安定感の源と言っていいだろう。
初の大舞台でもリズムを崩さず、手応え良く直線へ。「あとは我慢との戦い」の言葉通り、追い出しをギリギリまで待つと、絶妙なタイミングで抜け出して1馬身半差をつけた。
②着レッドルゼル、③着メイショウハリオは後方からの追い込み。そういう流れを横綱相撲で押し切ったのだから、内容的には完勝も完勝だ。
チャンピオンズC馬ジュンライトボルト、一昨年、昨年と連覇中だったカフェファラオといった面々が不在で戦前は“今年は低レベル”とも言われていた。しかし決して恵まれたわけではない。GⅠレベルの堂々たる勝ちっぷりといえよう。
管理する田中博師は開業6年目でGⅠ初制覇。「ホッとしたというか、今回に限ってはうれしいですね」と若き指揮官は喜びを噛みしめた。
ジョッキー時代にはクィーンスプマンテでエリザベス女王杯を勝っており、調教師としても勲章を手に入れた。そして、鞍上ともにフレッシュなコンビで今後の飛躍が大いに期待される。
次走は未定だが、師は「スピードがあるので、千二も視野に入ってくると思います」とのこと。直近で言えば、ドバイゴールデンシャヒーン(3月25日)に選出されている。はたまた休養して秋に海外遠征か――。夢は膨らむばかりだ。