先日、水口が6月末での騎手引退を発表した。記者にはそれ以降の表情が、やけに穏やかで明るくなったように感じて仕方がなかった。話を振ってみると、「勝負の世界に身を置いているので、言い方が合うかは分かりませんが、今は一鞍一鞍を楽しんで乗れているんですよ」と笑顔が返ってきた。
さまざまなプレッシャーを味わう余裕が出てきているのかも。「乗る馬のためにも結果を出していきたいですよね」と話す彼はいい表情をしていた。
【東京11R・アハルテケS】 その水口が手綱を取るバトゥーキに注目したい。
レースでファーストコンタクトとなった3歳秋からの17戦中、16鞍でコンビを組んできた愛馬の一頭だ。気負う性格から千二を中心に使われ、そこから4歳春に1F延ばして千四へ。5歳となっての初マイルが前走のオアシスSだったが、ここで頭差②着と好走した。 これまでは我慢させての末脚で勝負する印象が強かったが、イメージ一新。1F延びたことでリズムが良くなり、リラックスした道中となっていた。惜しむらくは直線で外の①③着馬の後ろを回った点だが、差し込んでのオープン初連対は勝ちに等しい内容だ。間違いなく府中マイルは合っている。再度、同じ舞台で走るのなら本命視。
【京都12R・4歳上2勝クラス】 「重いオレが乗って坂路で50秒6が出るんだよ。このクラスで通用する脚力はあるよね」は日迫助手。担当のモズトキキを◎だ。
1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。