【宝塚記念】名馬も勝っている一方で、実に多いオンリーワンのGⅠ勝ち

公開日:2026年6月11日 14:00 更新日:2026年6月11日 14:00

 宝塚記念といえば古くはトウショウボーイ、タマモクロス、メジロマックイーンなどの名馬が勝利。2000年以降でもテイエムオペラオー、ディープインパクト、オルフェーヴルなどが勝ち馬に名を連ねている。

 その一方で多いのが、「宝塚記念しか勝っていない」というGⅠ馬だ。レースデータが電子化されている1986年以降だけでも実に15頭(現役で昨年の勝ち馬であるメイショウタバルを含む)。同じグランプリレースでも有馬記念は91年ダイユウサク、97年シルクジャスティス、07年マツリダゴッホ、15年ゴールドアクター、18年ブラストワンピースと5頭しかいないのとは対照的だ。

 91年メジロライアン、98年サイレンススズカ、凱旋門賞で②着した10年ナカヤマフェスタなどが該当。一昨年のブローザホーンもそうだ。

 なら、春の古馬3冠がかかるクロワデュノールや、連覇がかかるメイショウタバル、ダノンデサイルやレガレイラなどより、このパターンに当てはまるGⅠ未勝利馬が面白いのではないか。

 特にこのレースは天皇賞・秋やジャパンCの舞台である東京とは違い、小回り阪神の内回り。必ずしも実績通りには決まらないし、適性が大きくモノをいうからだ。

マイユニバース 先週の結果に58歳が奮起

 1頭目はマイユニバース。GⅠ経験は昨秋の菊花賞(⑬着)のみだが、今年は②①①着と充実一途。前走でGⅡ日経賞を制して堂々の参戦だ。

 その日経賞は大外15番枠。有馬記念の時によくいわれる通り、中山二千五百㍍は外に行けば行くほど不利な舞台だ。

 この舞台で行われる重賞は有馬記念と日経賞。その2レースの15、16番枠からの勝利は89年イナリワン(有馬記念で15番枠)と、このマイユニバースしかない。

 確かに道中は横山典がうまくインに導いて距離のロスを減らしたが、4コーナー手前からは大外へ。そこからの差し切りは見事。また、勝ち時計の2分30秒7はレース歴代2位という速さだ。

 また、この馬の最大の強みはどんな競馬でもできること。

 昨年9月、中山の九十九里特別では逃げて最後は1秒2差の圧勝劇。かと思えば湾岸Sは好位5番手から。前走は10番手からの差し切りだ。

 今は梅雨の中休みのような感じだが、日曜の阪神の天気は微妙。それでもマイユニバースは不良馬場で勝利の経験があるから、道悪になっても大きなマイナスはない。

 先週は武豊がシックスペンスで安田記念を制して、57歳2カ月24日でのGⅠ制覇となり、JRA史上最年長の偉業を達成したばかり。その前、記録を持っていたのは横山典である。

 58歳の大ベテランがたった1週間で再び記録を塗り替えるなんていうオチがあるかもしれない。

シェイクユアハート ハーツクライの晩成の血が開花

 シェイクユアハートの充実ぶりも見逃せない。

 3勝クラス在籍時は②着が7回、③着が4回という詰めの甘い馬の代名詞のような成績だった。

 しかし、昨年6月の阪神二千㍍、垂水Sでようやく惜敗にピリオドを打つと、暮れにはGⅢ中日新聞杯を制覇。そして前走ではGⅡ金鯱賞も勝って重賞2勝目。以前の姿を完全に払拭した。このあたりは父ハーツクライ譲りの晩成というところか。

 ベストはこの2勝のような二千㍍なのかもしれないが、二千二百㍍も十分に守備範囲。もし、メイショウタバルとミステリーウェイの逃げ争いが激しくなるようなことがあれば、最後に飛んできても不思議ではない。

シンエンペラー 小回りに替わるのはプラス

 最後に挙げるのはシンエンペラー。ダービー、愛チャンピオンS③着の実績があるが、GⅠタイトルはまだない。昨年2月にはサウジアラビアでネオムターフC勝ち。今年からこのレースはGⅠになったが、当時はまだGⅡだった。

 以降の成績は冴えないものの、忘れてはならないのが24年ジャパンCの②着(同着)。2番手から流れ込んだレースだ。

 ドウデュースの鬼脚には屈したが、本来は切れ味勝負よりも小回りの競馬が合うタイプ。2歳時は京都内回りの京都2歳S勝ちがあり、コース替わりはプラスだ。

 また、前走の天皇賞・春は坂井がアメリカ遠征で騎乗できなかったが、今回はコンビ復活。愛、仏、サウジ、ドバイと経験豊富な5歳馬が、ここでタイトルを得るシーンがあってもいい。

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