【日本ダービー】皐月賞組だけじゃない! 魅力たっぷりの東西前走勝ちの2頭

公開日:2025年5月29日 14:00 更新日:2025年5月30日 11:00

毎日杯勝ちファンダム まだまだ底知らず

 日曜の第92回日本ダービーが近づき、日増しに盛り上がっている。皐月賞①②着のミュージアムマイル、クロワデュノールなど1冠目を戦った馬たちから勝ち馬が出るのか。それとも、別路線組にも出番があるのか。後者の東西2頭に迫る。

 3月のGⅢ毎日杯は07年から阪神の外回りコースへと替わり、地力がないと勝てないタフな舞台に。その後、08年ディープスカイ、13年キズナ、21年シャフリヤールがダービーを制覇。前記以外でも勝ち馬にはダノンシャンティ、アルアイン、ブラストワンピースといったGⅠ馬がいる出世レースでもある。

 今年、その毎日杯を強烈なインパクトで勝ち上がってきたのがファンダムだ。

 勝ち時計は千八1分45秒9と、シャフリヤールに次ぐ、レース歴代2位の好時計。それも自身が使った上がり3Fは何と32秒5! 他馬よりも0秒6以上も速い脚を繰り出し、最後は流して入線したのだからスケールの大きさは言わずもがな。王道組と真っ向勝負を挑む資格は十分にある。

 前走の3Fごとのラップは35秒2―37秒4―33秒3とかなり緩急があるもの。それでも課題のひとつである折り合いはつき、脚力比べとなった直線は切れに切れた走り。まさに上がり勝負になりやすいダービーとイメージがダブる。

 しかも、ここまで3戦無敗と底を見せていない。今の勢いなら、GⅠ初挑戦でも一気に頂点へと駆け上がっても不思議ない魅力を感じる。

「放牧を挟みましたが、大きく変わった感じなくこれました。レース後のダメージも今回が一番、少なかったですね。体質が強くなってきたのかもしれません」とは辻師である。

 父サートゥルナーリアは19年ダービーで1番人気ながらも④着に惜敗。その初年度産駒となる。ダービー制覇を成し遂げられなかった父の雪辱を初年度産駒が果たした例は2年前のタスティエーラ(父サトノクラウン)がある。

 別路線組だからといって、ファンダムを軽視するのは禁物だ。

プリンシパルS勝ちレディネス 最後に飛んでくる

 ダービートライアルのプリンシパルSから勝ち馬はまだ出ていない。とはいえ、新設された96年に1番人気ダンスインザダークが首差②着。98年には15番人気ダイワスペリアー、18年にも16番人気コズミックフォースなど伏兵、穴馬が4回、③着と圏内入りしている。

 18年は3連単285万6300円のドリーム馬券が飛び出した。ノーマークにすると痛い目に遭うかも。

 今年の勝ち馬はレディネス。

 2月に東京千八で猛然と追い込んでデビュー勝ち。続く弥生賞ディープインパクト記念は⑧着と結果を出せなかったが、東京二千のプリンシパルSは大違いだった。

 道中はじっくりと後方待機策。そのまま4角を回り、直線では内を突いてグングンと伸びてきた。きっちりと前をとらえてゴールイン。新馬戦に続いて上がりはメンバー最速。これで東京は2戦2勝となり、強敵相手でも大きなアドバンテージだ。

「前走はこの馬らしい切れ味でしたね。中山の馬場はこの馬にはまだ使うのが早かったかな。東京なら中山ほど馬場も悪くならないだろうし、舞台はいいと思います」(昆師)

 中間は疲れを見せるどころか、元気いっぱい。ここ2週のCウッド追いでは続けて横山典がまたがり、先週に6F77秒9の猛時計をマークすると、今週も6F81秒7―36秒6、1F11秒3で軽快に駆け抜けた。

「先週の調教タイムはなかなか出せない。凄い負荷がかかっている。最終追いも文句ない動きだったし、精神状態も安定しています」

 デビューからコンビを組む横山典は昨年、ダノンデサイルで史上最高齢ダービージョッキーの記録をつくっている。名手の絶妙な手綱さばきでアッと言わせるか。

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