【有馬記念】父サンデーサイレンスに並ぶ大記録へ 三本の矢で挑むディープインパクト産駒
公開日:2024年12月17日 14:00 更新日:2024年12月17日 14:00
因縁の有馬記念で14年連続GⅠ制覇を狙う
日本競馬史に燦然と輝く至宝ディープインパクト。史上最強とうたわれた現役生活だけでなく、引退後も種牡馬として数々の名馬を輩出した。
初年度産駒からマルセリーナが11年桜花賞を制すと、そこから毎年GⅠを勝ち続けた。23年天皇賞(春)のジャスティンパレスまで13年連続。積み重ねたJRAタイトルは計72勝にもなる。
連続年GⅠ勝利記録は偉大な父サンデーサイレンス、そして同じサンデー産駒のステイゴールドが持つ14年だ。
今年、ディープ産駒が勝てばトップに並ぶことができるのだが、ここまでGⅠ勝ちはなし。ヴィクトリアマイルでフィアスプライドが②着したのが最高である。
先のジャパンCではラストクロップで英、愛ダービーなどGⅠ6勝のオーギュストロダンが参戦して注目を集めた。しかし、結果は⑧着まで。連続年GⅠ勝利記録の達成は、この有馬記念にかかっている。
ちなみに、ディープ自身にとっても有馬記念は因縁深いレースである。
無敗の3冠馬として臨んだ3歳時はハーツクライの②着に敗れ、初めて、そして国内で唯一の黒星を喫することに。そして、翌年は単勝1・2倍の断然人気に応えて引退に花を添えた。大げさに言えば“天国と地獄”を味わったのが、この年末のグランプリなのだ。
産駒はこれまで14年ジェンティルドンナ、16年サトノダイヤモンドで2勝。今年はシャフリヤール、プログノーシス、ジャスティンパレスの3頭に連続年GⅠ勝利記録の継続がかかっている。
シャフリヤール順調度は昨年⑤着以上
シャフリヤールは言わずと知れた21年のダービー馬。その後は4歳時にドバイシーマクラシックを制すなど、国内外に活躍の場を広げている。
5歳の昨年はBCターフで③着に善戦した後、香港ヴァーズを目指していた。しかし、出走の3日前に現地での馬体検査で不整脈の疑いが出て出走取り消し。急きょ、有馬記念に切り替えたという経緯がありながら、0秒3差⑤着に善戦した。
2年連続でBCターフ③着からの転戦だが、当初からの予定通りな分、順調度は今年の方が上。昨年よりもパフォーマンスを上げてくれば、チャンスは十分にある。
プログノーシス海外経験を糧にGⅠ取り
同じ6歳のプログノーシスは豪コックスプレート②着から臨む。
今年初戦の金鯱賞では、菊花賞馬ドゥレッツァを相手に5馬身差の圧勝。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところであるが、国内GⅠの出走は23年天皇賞(秋)の③着があるだけ。
香港のクイーンエリザベスⅡ世Cでは2年連続でロマンチックウォリアーの②着。現地の絶対王者に今年は首差まで迫ったから大したもの。
今回は初の二千五百メートルが鍵になるが、海外の強敵相手にもまれてきた実力はここでも侮れない。
ジャスティンパレス産駒最後のGⅠウイナー
そして、もう一頭が現状ではディープ産駒最後のGⅠウイナーでもあるジャスティンパレスだ。
昨年は1番人気に推されたが、出遅れて最後方から。大外を回っての追い上げもおよばず、0秒3差④着だった。
この秋は天皇賞が直線で前が詰まりながら、さばいて伸びて④着。ジャパンCは明らかに不向きなスローの瞬発力勝負でも⑤着と崩れなかった。
不器用で展開に左右される面はあるが、消耗戦になれば出番があってもおかしくない。
いずれもチャンス十分の実力馬。“三本の矢”で父ディープの大記録継続を目指す。