今週は古馬牝馬の王座を巡る争い。シンリョクカに注目だ。

　２歳時には新馬勝ちから挑戦した阪神ＪＦで１２番人気ながらリバティアイランドの②着に突っ込んできた。３歳の春２冠も桜花賞⑥着、オークス⑤着と頑張っている。

　秋は府中牝馬Ｓ⑩着、エリザベス女王杯⑨着と結果を出せず、４歳初戦の日経新春杯も⑩着に敗れてしまった。嫌なムードが漂う中、中山牝馬Ｓでは③着と変わり身を見せて、期待が膨らんだのだが……。

　福島牝馬Ｓではまさかの転倒→競走中止となった。キ甲の骨折で休養を余儀なくされることに。

　幸い、競走能力に影響する箇所ではなく、４カ月半の休養で、夏の新潟記念で復帰した。８番人気と評価は低かったが、レースは大違いだった。

　スタートを決めて、道中は離れた２番手。そのまま３番手を離して４角を回り、直線では満を持して追い出しを開始した。残り３００メートルで先頭に立ち、しぶとい粘り腰を発揮。セレシオンの猛追を鼻差で振り切り、久々の先頭ゴール。タイトルホルダーとなった。

　レース後は短期放牧を挟んでここへ。順調に乗り込まれ、先々週水曜にはウッドで併せ馬。先週水曜もウッド６Ｆ８１秒８―３６秒４、１Ｆ１２秒４で先着している。

「前走はちょっと落ち着き過ぎている感じで半信半疑。今回はいつものこの馬らしい気の入り具合で、帰厩してすぐにいい動きを見せてます。昨年も着順ほど大きく負けておらず、条件としては悪くないでしょう。前走同様、立ち回りのうまさを生かせればチャンスがあっても」（山縣助手）

　素質馬が紆余曲折を経て再び大舞台へ。最高の走りを見せたい。