新種牡馬が好調なスタート 中でも早くも2勝したナダルにかかるBT、SS級の期待

公開日:2024年6月13日 14:00 更新日:2024年6月13日 14:00

 今月から2歳新馬戦がスタート。先週からの函館競馬も含めて11鞍の新馬戦が行われた。

 ここまでの目立った傾向として挙げておきたいのが、新種牡馬が好調ということ。

 6月2日、京都5Rの芝千四で勝ったキトンインザスカイは父がシスキン。この馬が新種牡馬の新馬勝ち第1号だ。

 アイルランドでデビューし、19年の2歳時、4戦4勝でGⅠフェニックスSを制覇。翌20年には10カ月ぶりだったGⅠ愛2000ギニーを無敗で制した。

 その後、古馬相手に3戦して③④⑨着で引退。21年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りしている。

 初年度はアクシデントにより、20頭と交配を終えたところで大事を取っているため、初年度産駒は少ないが、2歳戦向きのタイプで要注目だ。

 注目のサートゥルナーリアも先週の土曜東京5R、芝千六でコートアリシアンが新馬勝ちを果たした。

 自身の兄にリオンディーズ、エピファネイアと種牡馬が2頭いる良血。果たして、クラシックを狙える大物は出るか。

 新種牡馬のみならず、全馬の中で唯一、すでに2頭の新馬勝ち馬を出したのがナダルだ。

 先週土曜に函館芝千メートルでヒデノブルースカイ、日曜京都でポートデラメールが新馬勝ちした。

 自身は3歳の20年1月にデビュー。つまり、シスキンと同じ7歳馬だ。

 順調に勝ち星を積み重ねて、GⅡサンヴィセンテS、GⅡレベルS、GⅠアーカンソーダービー(この年は分割して2競走行われた)と4戦無敗で、ケンタッキーダービーの有力馬の一頭となったが、その後、骨折のため引退。こちらも社台スタリオンステーションに繋養されている。

 勝ち鞍はダートの千三から千八。芝の経験はないが、日本で一時代を築いたブライアンズタイムは4歳の後半2戦で少し芝を走っただけ。GⅠ勝ちはフロリダダービー、ペガサスHのダート千八2鞍だ。

 また、サンデーサイレンスは芝の経験がゼロ。サンタアニタダービー、ケンタッキーダービー、プリークネスS、スーパーダービー、BCクラシック、カリフォルニアンSとダート9~10FのGⅠを6勝もしている(現在、スーパーダービー、カリフォルニアンSはGⅢ)。

 ナダルは大きな可能性を秘めたまま引退となったが、種牡馬としてブライアンズタイム、サンデーサイレンス級の成功を収めるのか。要注目である。

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