【皐月賞】ジャスティンミラノが課題を克服してまず1冠
公開日:2024年4月15日 14:00 更新日:2024年4月15日 14:00
「康太が後押ししてくれたんじゃないかなと」
「この差も康太が後押ししてくれたんじゃないかなと、つくづく感じています」
そう話したのは戸崎。今年の皐月賞を制したのはジャスティンミラノだった。
ジャスティンが所属する友道厩舎と、先々週の落馬事故で命を落とした藤岡康は縁深い。ダービー馬マカヒキ(2021年京都大賞典)やワグネリアン(18年神戸新聞杯)などで重賞を勝利。重賞騎乗は父の藤岡厩舎に次ぐ回数で、普段から調教をつけるケースも多かった。
ジャスティンミラノもそう。2週前、そして1週前に調教をつけたのが藤岡康で、「こと細かく状態を教えてもらって」と戸崎も振り返ったように、しっかりと下地をつくっていた。
それでも、課題はあった。前走の共同通信杯も含め、デビューからの2戦はともにスローで上がり勝負。瞬発力型の形態のみでしかレース経験がなかった。本番でペースが上がった場合への対応力が問われたが、一発回答を決めた。
前半5F57秒5は皐月賞史上どころか、中山二千メートルの歴代最速ラップ。その中でも1、2角は5番手。そして3角でも4番手と勝負になるポジションをしっかりと取ることができた。
4角手前でさすがに手応えが悪くなる場面もあったが、最後は先に抜け出していた2歳王者ジャンタルマンタルを競り落とし、②着コスモキュランダを首差抑えたところがゴールだった。
速い流れへの対応力を見せたうえに、初の小回り中山でも結果を出して無傷のV3。終わってみれば、世代屈指の潜在能力、完成度があったということか。
次の舞台は走り慣れた東京。「皐月賞の前はダービーの方が競馬がしやすいと思ってた」は現役最多のダービー3勝トーレーナー友道師で、大一番への馬づくりは熟知している。そう、次の3歳馬頂上決戦はジャスティン断然まで予感させる1冠目になった。