【若駒S】ハクタイセイ、トウカイテイオー、ディープインパクト、マカヒキらが勝ち、モチが粘った京都の伝統レース
公開日:2024年1月17日 14:00 更新日:2024年1月17日 14:00
07年「粘りに粘る、モチ」は名実況
初週にシンザン記念が行われて、先週は京成杯。2024年のクラシック戦線は活況づいてきた。
今週の土曜京都で行われるのは若駒Sだ。1989年にジュニアSから改称されて現在に至る伝統の明け3歳戦。初代勝ち馬はタニノジュニアスで武豊の手綱であった。以降、人馬ともにそうそうたる面々が勝ってきた。
翌年はのちの皐月賞馬ハクタイセイが勝利し、91年は無敗の春2冠馬となるトウカイテイオーが勝って、さらに強さを増していった。
00年は園田・ダイトクヒテン。中央勢撃破でアッと言わせ、02年からは武豊が無双状態に。モノポライザー、リンカーン、ブラックタイド、ディープインパクトにフサイチジャンクで他に例を見ないV5を決めている。
さらに、「粘りに粘る、モチ」の名実況で一躍有名となったモチが逃げ残ったのは07年で、その後、皐月賞馬アンライバルド(09年)、天皇賞・春を制すヒルノダムール(10年)に、日本ダービー馬マカヒキ(16年)らを輩出。
負けた馬にも、ナイスネイチャ(91年③着)、ポップロック(04年③着)、アドマイヤジュピタ(06年②着)、ルーラーシップ(10年②着)らが。また、15年はシュヴァルグランが出走取消(右肩跛行)している。
音無師のラストクラシックへ落とせないサンライズジパングは過去7勝の武豊で必勝態勢
今年の若駒Sは12頭が登録。
地方時代に2勝を挙げたスノーブリザードを除く11頭が1勝馬で、収得賞金は890万~290万。勝てば1000万が加算されるここは春クラシック出走に大きくジャンプアップができる大きなチャンスなのだ。
中でも、ホープフルS③着のサンライズジパングには落とせない一戦となる。
昨年のJBC2歳優駿の②着馬でもあるが、実は、うれしいはずの重賞連対が微妙な賞金加算を生み、同馬の足かせとなっている。
JBCはJpnⅢで②着賞金980万。この一戦で収得賞金は400万+490万(980万円の半額)=890万となったのだが、実は、新馬、未勝利に1勝クラスを勝った馬(400万+500万=900万)には、わずか10万だけ及ばないため、出走順で下位へと回るのだ。
これにより、全日本2歳優駿は補欠に。スライドして選んだホープフルSでも不運が重なった。4角で内から膨れたショウナンラプンタに外へと押し出され、再度、加速したゴール前でも内のシンエンペラーに進路をカットされた。2度の不利による③着で賞金加算ができなかったから、今度こそなのだ。
「自分の中で芝でもやれると思っていましたが、証明してくれましたからね。馬に丸みが出て、さらによくなったのを感じますよ。今の京都の時計のかかる馬場も合いそうなので、何とかしたいですね」と担当の平井助手も力が入る。
また、ジパングを管理する音無師は来年春で定年。ラストクラシック出走に向けても、是が非でもほしい1勝なのだ。託されたのは若駒Sを7度も勝っている名手・武豊。未勝利を勝ったコンビの再結成は、まさに必勝態勢と言っていい。