【有馬記念】今年もグランプリにドラマあり 武豊ドウデュースでまたも千両役者ぶりを発揮
公開日:2023年12月25日 14:00 更新日:2023年12月25日 14:00
やはり武豊はレジェンドであり、スーパースターであり、千両役者だ。
単勝オッズ10倍以下が7頭もいる有馬記念史上で最も混戦といわれた今年、ドウデュースで鮮やかに外からひとまくり。「ドウデュースも私も帰ってきました」の名言を残した。
昨年のダービーでイクイノックスを負かした実績はある意味、ここでは最上位。だが、昨秋以降はなかなかGⅠタイトルに手が届かなかった。
ダービー後は武豊、そしてオーナーの「キーファーズ」共通の夢である凱旋門賞に挑戦。ところが、前哨戦のニエル賞だけでなく、本番も重馬場に。日本でも良馬場以外で走った経験がない馬にとって、欧州の道悪は対応できなくても仕方がない。④⑲着で3歳シーズンを終えた。
今年は2月のGⅡ京都記念で復帰。3馬身半差で圧勝した。
その後、ドバイターフを目標に遠征したが、現地の獣医チェックの結果で出走取り消しになってしまった。
捲土重来を期した秋。周知の通り、天皇賞・秋はイクイノックスとの再対決で盛り上がったが、レース当日に武豊が負傷。その影響でジャパンCにも騎乗できなかった。イクイノックスには離されたものの、JC④着のレース内容は復活の予兆といえるものだった。
そして、有馬記念は鞍上が武豊に戻り、朝日杯フューチュリティS、ダービーと同じたたき3戦目。見事に先頭ゴールインを果たしたから、まるでドラマのよう。中山競馬場では「ユタカコール」も。やはり、この男がいてこその日本の競馬ではないか。
これで有馬記念は1990年オグリキャップ、2006年ディープインパクト、17年キタサンブラックに次いで4勝目。この3頭はいずれも劇的なラストランVだった。
また、ディープ、キタサンは今年と同じクリスマスイブの日。名ジョッキーは“名サンタ”の役もきっちりと果たした。また、多くの競馬ファンにとって記憶に残る有馬記念になったといえよう。