【秋華賞】打倒リバティアイランドの旗頭は──。全休日取材で好感触だったの3頭
公開日:2023年10月10日 14:15 更新日:2023年10月10日 14:16
「ドゥーラはドゥーラのペースで競馬をするだけ」(高橋康調教師)
打倒リバティアイランド!
その旗頭となるのはどの馬か。火曜朝、全休日の栗東トレセンで取材した様子をお伝えしたい。
別記事にもあるが、けさの栗東は3日競馬明けの全休日で、重賞登録のある申請馬のみ馬場入りが可能となった。
あすの最終追いに備えて、各馬が調整した。角馬場→坂路が多い中、Cウッドで乗ったのが、クイーンS勝ちのドゥーラ。春はオークスで③着。前走勝ちをみても、明らかに地力をつけてきた一頭でもある。
6F99秒6、3F48秒5─16秒2と軽く流して、追い日前日の調整を終えた。
「オーナーと相談してベストなローテーションを選んできました。順調ですね。前走時は帰厩時から馬体重が減っていましたが、特別に細く見える感じもなかった。今は480~90㌔あります」は高橋康師。
確かに、ヒ腹から腰回りに牝馬らしさを残していた春先と比べるとグッと厚みが出た。背も高くなった印象だ。
「以前は前後のバランスから(走りが)噛み合うまでに時間がかかった。今はそこが噛み合い、回転が上がるのは早くなってきました。ただ、ドゥーラはドゥーラのペースで競馬をするだけ」
「むしろ、前走を使う前よりいいんじゃないか、と思わせます」(辻野調教師)
ローズSを1分43秒0の日本レコードで駆けたマスクトディーヴァは坂路の調整。4F68秒1を乗った。
「(全休日で)1頭での調整でしたが、問題なかったですね。メンタル面でも成長しています。前走を速い時計で走ったダメージ、反動を心配しましたが、見た目にも疲れがなかった。1週前にコースで負荷をかけられたほどで、むしろ、前走を使う前よりいいんじゃないか、と思わせます」は辻野師だ。
春先と比べて、馬体に厚みが出たのが前走時だったが、そこからひと締まりした印象。むしろ、歩様には力感が出た。
「春より幅が出た。今ならコーナー4つでも」とトレーナーは話し、「1、2角はスムーズに入りたいですね」とレースへのイメージを膨らませていた。
「秋の方がいいと思っていた馬ですがパワーアップしています」(大江調教助手)
春のオークスでリバティアイランドの②着だったのがハーパー。
春がクイーンC勝ちから中7週とあけて、ぶっつけ桜花賞を選択。この秋もトライアルを挟まないローテーションとなった。
「馬の成長に合わせて、いい間隔で使うことになりました」は大江助手。秋の伸びシロを作ることが上手な友道厩舎らしい選択だ。
「馬体重は10~20㌔くらい増えています。しっかりと筋肉がつきました。以前はフワフワする感じもありましたが、軸がしっかりとして、しっかりと地面を捉えられるように。重心が浮かず、ブレなくなりましたね。もともと、秋の方がいいとは思っていた馬ですがパワーアップしています」とひと夏を越しての成長を教えてくれた。
最後に「内臓面も体もいい。これがレースに繋がれば。印をつけなかった人に〝何でつけなかったんだろう〟と思わせたいですね」と囲んだ報道陣に笑わせた。
12年ジェンティルドンナが牝馬3冠を達成した際、秋華賞でハナ差と迫ったのがこの友道厩舎ヴィルシーナ。そこから11年、GⅠ15勝を含む、重賞48勝を積み重ねてきた。経験が糧となっているのは間違いない。
〝逆転〟の言葉を口にする陣営こそなかったが、この3頭が好ムードであることは十分に伝わってきた。