１番人気に推されたナムラクレアは③着まで。２番人気で⑤着だった昨年から前進したものの、ＧⅠ初制覇とはいかなかった。

　１枠１番から道中は好位の内めを追走。勝負どころもうまく持ち出して猛追態勢は整ったかのように見えたのだが……。

　敗因は坂かも。市川記者が土曜発行の「人気馬を斬る」のコラムでも指摘していたが、ナムラは全５勝中４勝が平坦コース。ゴール前に急坂のある中山、阪神では〈０２１２〉と勝ち鞍がない。きのうも直線半ばでは②着のマッドクールをいったんかわそうかのシーンもあったが、最後は差がひらいてしまった。

　これで２戦２敗となった中山はもちろん、高松宮記念が行われる中京も直線の半ばに傾斜のきつい坂がありベストの舞台とは言えないか。現役最多のスプリント重賞４勝馬でも、国内ＧⅠ制覇には舞台が不向きな可能性があるかも。

　それなら、香港スプリントはどうか。シャティン競馬場はほぼ平坦のコース設定。芝もナムラが得意とする洋芝である。参戦実現となれば悲願のビッグタイトル奪取のチャンスもありそうだが、果たして。