【宝塚記念】スルーセブンシーズ大金星は逃したが夢が大きく広がる②着
公開日:2023年6月26日 14:00 更新日:2023年6月26日 14:00
大健闘の②着と言っていいだろう。10番人気スルーセブンシーズが世界最強馬相手に首差の接戦に持ち込んだ。
スタートしてイクイノックスより後ろのポジションで最後方を進んだのには驚いたが、枠順を生かしてロスなく立ち回るというのは陣営の思惑通り。ただ、誤算だったのは直線入り口だ。
4コーナーで外に持ち出して追撃態勢を整えたところでジオグリフが外に張ってきたため、進路を内に切り替えざるを得なかったこと。「跳びが大きいから余計にこたえました」とは尾関師で、着差が着差だけに悔やまれる。スムーズなら勝敗は分からなかったかもしれない。
3月に中山牝馬Sで重賞初制覇を飾ると、ヴィクトリアマイルなど牝馬路線には目もくれず、凱旋門賞(10月1日)の登録を済ませたほど。「状態面や適性を踏まえて」(同師)の選択で宝塚記念一本に備えたのも、きのうの走りを見れば納得がいく。
確かに3歳春に中山の重馬場でミモザ賞を完勝したり、年明けの初富士S勝ちも年をまたいでの連続開催で芝が傷んでいた。タフな設定に強いタイプであり、今回も持ち味をいかんなく発揮した。
これで秋の展望は大きく開けた。前記の凱旋門賞だけでなく、愛チャンピオンS(9月9日)も選択肢のひとつか。小柄ながらパワフルなフットワークは欧州の馬場にもフィットするだろう。
もちろん、国内でもトップレベルにあることは立証済み。夢は膨らむばかりだ。