「何とかGⅠを勝たせて、種牡馬にしてあげたい」 12度目のGⅠ挑戦を120%の状態で挑む6歳ディープボンド
公開日:2023年6月21日 15:00 更新日:2023年6月21日 15:00
3年連続の春天②着も今年は価値あり
悲願のビッグタイトルなるか。6歳ディープボンドだ。
ついに12回目のGⅠ挑戦となった。振り返れば、初GⅠは3歳クラシック。皐月賞での⑩着から、日本ダービー、菊花賞と〝皆勤賞〟も⑤④着と一歩及ばずの成績だったが、翌年の天皇賞・春でワールドプレミアの②着に続いてGⅠ初連対。そこから昨年、今年と春天では3年連続の連対を果たしている。
しかも、今年の春の盾は前2年の阪神開催ではなく、スピードも要求される京都に戻ってのもの。直線入り口を待たずして先頭の競馬ができていた。勝ちに行っているだけに、価値ありだ。6歳とはいえ、まだまだ若い。
「一頭となり、フワッとした分もありました。ただ、いつもは勝負どころでずぶさをのぞかせるのに、今年はスッと動けた。底力があるところを見せてくれた。まだやれますよ」
管理する大久保師はこう振り返り、既報の最終追い切りを笑顔でこうジャッジした。
「けさでも、朝一番に追い切ったイクイノックスを見て〝さすがにいい馬〟だなと思ったけど、その後のボンドの動きを見たら、〝やっぱり、いい馬〟だなと感じたね。それだけ、いい雰囲気で走れていましたよ。6歳になり、全部が噛み合い、厚ぼったい感じも取れた」
「何とかGⅠを勝たせて、種牡馬にしてあげたい」(大久保師)
2週連続して追い切った和田竜も似た感触を話す。
「前走もよかったけど、今回はもうひとつ状態がよく感じるね。仕掛けての反応もよく、体調に関してはいうことないですね」
確かに、状態面の良さは外から見ていてもはっきりと感じる。一部ファンから親しみを込めて〝こしあん〟とも称されるその青鹿毛の馬体は明らかに光って映る。ちょっとツヤが違うのだ。体調の良さは若手勢には負けていない。
この春のグランプリは91年メジロライアン、01年メイショウドトウ、02年ダンツフレーム、18年ミッキーロケットと〝善戦マン〟たちをGⅠホースへと押し上げた歴史がある。
「何とかGⅠを勝たせて、種牡馬にしてあげたい」
トレーナーは12度目のGⅠ挑戦に力を込める。ファンからは馬名の中間を取り〝プボ〟の愛称で呼ばれるベテラン人気ホース。悲願に向けて、120%の体調で挑む。