【マーメイドS】ビッグリボンで西村淳が目指すさらなる高み
公開日:2023年6月19日 14:00 更新日:2023年6月19日 14:00
土曜は10番人気、日曜は1番人気でメイン勝ち
阪神で行われたのは牝馬のハンデ重賞、GⅢマーメイドS。とにかく荒れるレースとして知られていたが、今年は1番人気ビッグリボンと3番人気ウインマイティーのたたき合いに。その中、最後に競り勝ったのはビッグリボン。これがうれしい重賞初制覇となった。
「ここ2走、うまく乗れなくて」
そう話したのはレース後の西村淳。前2走は関門橋S③着、福島牝馬S②着と惜敗に終わっていたが、今回は違った。
前半は後方寄りでしっかりと脚をためるスタイル。前半5F57秒3と流れていたから、ペース的にもドンピシャだ。勝負どころからの追い上げも実にスムーズで、それが決定力につながった。
追う強みのあったライバルを抜かせずにフィニッシュを決めたから、西村淳にとってはここ2戦の鬱憤を晴らす、会心騎乗になったと言えよう。
まさに“乗れていた”騎乗だったが、それはマーメイドS以外も。2週前は函館スプリントSで5番人気ジュビリーヘッドで②着の好騎乗。さらに先週は日曜が1番人気なら、土曜メイン、サマーマイルシリーズ第1戦の米子Sでは10番人気メイショウシンタケで鮮やかな差し切りも決めていた。夏競馬に入って、好調ぶりがひと際目立っている。
振り返ると、かつては海外武者修行も経験し、以前からノーザンファームに腕を買われて騎乗機会も多い若手のホープ。さらに今回がそうだったように、トップステーブルの中内田厩舎からも信頼を置かれており、前途洋々といったところか。
初タイトルを手にしたビッグリボンは、2014年ディアデラマドレ以来となる1番人気馬での勝利。ディアデラマドレはその後、エリザベス女王杯③着など、大舞台を沸かせた。
「大きなところで一緒に頑張りたい」の言葉通りに目指すはもう1段階上のステージ。人馬ともども、先々に向けて楽しみが増す勝利になったのは間違いない。