エリザベス女王杯は1番人気のレガレイラが力の違いを見せつける結果に。
これまで中山で重賞3勝。関西圏では勝てないことを不安視する面もあったが、中団追走から直線で外に出すと1頭違う脚色で突き抜けて、②着には0秒3差だから完勝だった。
前10年の京都で行われたエリザベス女王杯は父ディープインパクト系の馬が<1 0 4 26>と不振。スパッと切れる馬よりも持続力のあるタイプ。特に連続開催の後半に行われるため、タフな欧州系の血を持つ馬の活躍が目立っている。
レガレイラは母の父がハービンジャーで凱旋門賞馬。3代母がウインドインハーヘアと母系は欧州色の強い配合。中山向きではあるものの、エリザベス女王杯とも相性は悪くない。ちなみに、母ロカの全妹エッジースタイルの仔で、同じスワーヴリチャード産駒のアーバンシックが菊花賞勝ち馬ということを考えても、京都の外回りで持続力のいるレースは配合的に合っているのが分かる。昨年の⑤着も直線で不利があったもの。スムーズな競馬で発揮すれば格が違った。
オークス④着、秋華賞③着の3歳馬パラディレーヌが②着。父がキズナとディープインパクト系で母系は米国型。父もストームキャットを持っているから配合的にはスピード勝負に強いマイラーのイメージだ。ここまでの実績は認めても、正直条件はマッチしないと思ったのだが、それを裏切る好走。前走の秋華賞は後方からメンバー最速の上がりを使ったが、今回は好位から。これが本来、得意とするパターンだろう。舞台は決して合っているとは言えない配合だからこそ、今回は強さが光った。それだけにもう少し短い距離での走りも見てみたい1頭ではある。
③着はライラックで父オルフェーヴルはSS系でもスタミナ寄りで、オルフェ自身が凱旋門賞②着の実績がある。母系はスカーレット一族で半兄には札幌2歳S勝ち馬のブラックホールがいる。タフな馬場に強く、後半開催で荒れてきた馬場は向くタイプだ。エリザベス女王杯は今回が4度目の参戦で②④⑥③着と毎度、好走。ノーザンテーストの4×5×4のクロスがあり、これが息の長い活躍の源になっている。
④着はリンクスティップ。キタサンブラック産駒で母がサドラーズウェルズの4×5のクロス持ち。舞台が合うと思い本命としたが、上位とは切れの差がでた。それでも先行策から京都の坂の下りを生かして早めに動いい勝ちに行く競馬。そこから思ったほど伸びなかったものの、ラストまでしぶとく脚を使って勝ち馬と0秒4差、なら現状の力は出し切っている。配合からは成長力も見込めるだけに、今後の飛躍に期待したい。
今年もディープインパクトの決め手が生きたデイリー杯2歳S
先週は土曜にも2重賞が行われた。
京都では2歳重賞のデイリー杯2歳S。アルテミスSから4週連続の2歳重賞だが、自身の◎が①②①①着なら2歳戦は予想のリズムがいい。
デイリー杯2歳Sは京都のマイル外回りで瞬発力勝負になるケースが多い。今回も上がり3Fトップ3がそのまま①~③着だった。
勝ったアドマイヤクワッズは父がディープインパクト直子のリアルスティール。母デイトラインがヘイローの5×4のクロス持ちで、アドマイヤクワッズはヘイローの4×5×6となる。これが同馬の瞬発力の源となっており、デビュー戦は上がり3F33秒3で差し切り。今回も上がりメンバー最速の3F34秒0をマークした。血統通りいい決め手があり、瞬発力勝負のマイル戦なら引き続き狙っていきた好素材だ。
②着カヴァレリッツォは母の兄弟に弥生賞勝ちのサトノフラッグや桜花賞②着のサトノレイナイスがいる血筋。サートゥルナーリア産駒だが、こちらはヘイローの5×4にサンデーの4×3を持っている。デビュー戦をメンバー最速の34秒0で制しており、やはり決め手勝負に強いタイプだった。
③着アイガーリーは母の父がディープインパクト。このレースはディープの血を持つ馬が3頭出走して2頭が馬券圏内。残る1頭はトーセンラー産駒のキャンディードで⑧着だったのだが、レース後に、競走中に鼻出血を発症との発表があったから参考外。もともとディープの血と相性のいいレースだが、今年も変わらずその傾向での決着だった。
武蔵野Sは〝東京マイルの鬼〟2頭でのワン・ツー
東京ではダート重賞の武蔵野Sが行われた。勝ったルクソールカフェは21、22年のフェブラリーSを連覇したカフェファラオの全弟。兄は東京千六ダートで4戦4勝だったが、弟も今回の勝利で3戦3勝と未だこの舞台では負けなし。ちなみに、イントゥミスチーフ産駒の半弟アルカディアカフェも東京千六ダートの未勝利を戦で勝ち上がっており、まれにみる舞台巧者の血筋だ。
②着は今年のフェブラリーS勝ち馬のコスタノヴァ。近年の東京千六ダート重賞と相性のいいキングカメハメハ系ロードカナロアの産駒だ。これまで東京では6戦6勝。出遅れ癖があるが、大箱の東京なら少々遅れてもカバーができると思っていたが、さすがに今回の4馬身近い出遅れは想定外。別定戦で59㌔を背負っていたし、普通なら万事休すなのだが、そこから②着にまで持ってきたのは逆に驚いた。これがGⅠ馬の底力であり、コース適性の高さなのだろう。今後もこの舞台では〝東京マイルの鬼〟2頭には注目しておきたい。





























