今年秋のGⅠはウインカーネリアンの勝利で幕を開けました。単勝11番人気、8歳の牡馬、大外16番枠。スプリンターズSの馬券を当てたファンは少なかったかもしれませんが、レース後の場内はなんとも温かい空気で盛り上がりました。
デビュー以来常に注目されながらも、なかなかタイトルに届かなかった鞍上の三浦皇成騎手にとっては待ちに待ったGⅠ初勝利。その苦労を前にファンもみな同様にこの決着を喜んだのだと思います。
ウインカーネリアンも三浦皇成騎手も所属は鹿戸雄一厩舎。厩舎に初GⅠをもたらしたスクリーンヒーローが、この馬の父であることもなんだかすべてが重なった喜びに感じます。
先日、秋恒例の新潟馬主会のゴルフコンペがあり、いい加減下手くそと自覚しながらも今年も参加してきました。
同じ組には鹿戸調教師の名前もあります。これは……と内心、取材のアポを取れるかなと緊張。タイミングを見計らって打診したら、うれしいことに快諾。早速次の週に取材に行かせていただきました。
私か競馬に携わるようになった初めの頃、鹿戸さんはジョッキーでした。そのうち「中央競馬ワイド中継」の取材で事あるごとに藤沢和厩舎を訪れるようになっていたのですが、そこでお見かけすることが多かった気もします。
調教師試験を意識する中で「ウチで勉強しないか」と藤沢さんから声をかけられたそう。とはいえ、実は藤沢厩舎開業当初から調教などで手伝っていたこともあり、これも必然の流れなのかもしれません。
その頃、藤沢厩舎といえばシンボリクリスエスやゼンノロブロイなどを筆頭に活躍馬だらけの時。「ほとんどがオーブン馬で毎週のようにGⅠ出走馬がいるような厩舎でした。プレッシャーもあったけど、それが日常なんですよね。普段通りにやっていく。本当に馬に対してプロフェッショナルな人たちだったと思います」。
また「毎日馬の状態をちゃんと確認していく。それが当たり前であって、日々馬本位で過ごすこと。これは今でも自分のベースにありますね」。そのプロの集団の中で「ある程度任せてもらえましたからね」。
実際に調教師試験のアドバイスも受けたりしたそう。本当に勉強になった期間なんだと思います。
中でも……
(続きは11月12日に更新)
競馬キャスター
テレビ東京の「土曜競馬中継」などでリポーターを務め、競馬サークルに幅広い人脈をもつ。YouTubeの「日刊ゲンダイ競馬予想」で武田、大谷記者とともに出演。また、毎週水曜には「目黒貴子のアツアツ交遊録」を連載中。



























