【京都ハイジャンプ】とにかく〝元気〟な10歳馬アサクサゲンキが新天地で始動
公開日:2025年5月14日 14:00 更新日:2025年5月14日 14:00
大障害コースの大いけ垣、台形バンケットが難所
土曜京都では、障害重賞の京都ハイジャンプが行われる。
芝3930メートル。向正面2角からスタートして平地競走同様、中央の池に沿う右回りで行われる。スピードに乗せつつ、待ち構える18もの障害を超えるコースだ。
いけ垣が12、竹柵、水豪が各2つに加えてバンケットの構成で、J・GⅠよりも多い障害数となっている。スタンド前、向正面と3つの連続する障害を飛越するコースだが、見どころは2周目の向正面。重賞レースしか使用されない内回りの大障害コースで2つの障害が待つ。
高さ1・5メートル、長さ2・9メートルの大いけ垣(8号障害)に、バンケット障害(9号障害)だ。後者は京都コースにしかない高さ0・8メートル、長さ15・9メートルの台形障害。「3段飛び」と呼ばれ、上り、完歩を合わせて下りることが難しく、人馬ともにリズムを崩しやすい難所となっている。
「ベテランさん。こちらがあまり求め過ぎず、尊重して調整してきた」(四位調教師)
今年は10頭が挑むが、メンバー最高齢なのが10歳アサクサゲンキだ。
JRAで10歳を越す現役馬は7頭しかいないが、12歳マイネルヴァッサー、11歳アッティーヴォに続く、超がつくベテランホース。クラシック3冠でいえば、エポカドーロ、ワグネリアン、フィエールマン。ダノンプレミアムやタワーオブロンドンと同世代の一頭となる。
今回は音無厩舎の定年解散により、四位厩舎へと移籍。新たな船出となった。
四位師は同馬の印象をこう教えてくれた。
「よくカイバも食べ、水も飲む。10歳だけど、とにかく元気があるね。一回追ったらスイッチが入り、ガラッと変わってきた。さすがベテランさんという感じで自分のやることが分かっているから、こちらがあまり求め過ぎず、尊重して調整してきました。スタッフが優しく接するから、環境の変化にも戸惑うことなく、慣れてくれましたよ」
気持ちよく調教スケジュールをこなしてもらおうという意図だ。
「硬さが出やすいと聞いていたけど、それもない。コンディションはいいんじゃないかな。以前は坂路中心の調教だったみたいだけど、調整方法が替わったことがいい方に出てほしいね」とも続けた。
データがある86年以降、JRAで10歳以上の馬の勝利は22回ある。最高齢は12歳で勝ったのは07年中山グランドJのカラジだが、この京都ハイJでも10年前にルールプロスパーが10歳で勝った前例も。アサクサ自身は2走前、9歳の昨暮に中山でイルミネーションJSを勝っているから衰えはない。
デビューした17年から平地15戦、障害32戦を走って今回が48走目。誰よりもキャリアがあり、〝元気〟なベテランの飛越に注目し、声援を送りたい。