【NHKマイルC】パンジャタワー父の雪辱を果たした

公開日:2025年5月12日 14:00 更新日:2025年5月12日 14:00

世代のマイル王として真価が問われる今後

 今年が区切りの30回目となったNHKマイルC。9番人気のパンジャタワーが制し、②着こそ3番人気のマジックサンズだったが、③着には12番人気のチェルビアットが突っ込み、3連単は150万超えの大波乱となった。

 このレースは過去にピンクカメオの07年、ジョーカプチーノの09年、マイネルホウオウの13年、ダノンスコーピオンの22年と100万馬券が4回出ており、今年で5回目に。実に6年に1回は超波乱となる、いかにもNHKマイルCらしい結果とも言える。

 勝ったパンジャタワーは2歳時に新馬→京王杯2歳Sを連勝。だが、朝日杯フューチュリティSで⑫着と大敗し、今年初戦のファルコンSでも1番人気ながら④着に。今回は完全にマークが薄くなってしまったのも当然か。

 だが、今回のレースは実に堂々としたもの。ほぼ真ん中の位置で進め、直線は外から鮮やかな抜け出し。勝ち時計の千六1分31秒7は馬場を考えるとそこまで強調できるものではないが、強い勝ちっぷりである。

 父タワーオブロンドンは、18年に1番人気で⑫着に大敗。初年度産駒が早くも父の雪辱を果たしたと同時に、初のGⅠタイトルをプレゼントした。

 ただ、かつての「(外)ダービー」といわれていた創設当初とは違い、近年のNHKマイルC馬から、その後にもGⅠを勝った馬は少ない。

 直近では19年のアドマイヤマーズが同年の香港マイルを制したぐらい。その前は14年のミッキーアイルが2年後にマイルCSを勝ったのが目立つ程度で、なかなか大出世といかないのが現状である。

 今年もそうだったように、あまりにも厳しい競馬をしたツケが来るのか、それとも……。

 堂々と世代のマイル王となったパンジャタワーだが、真価が問われるのは次走以降、もしくは古馬になってからかもしれない。

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