【サウジC】今年は超強力なアメリカの三本の矢が待ち受ける
公開日:2024年2月22日 14:00 更新日:2024年2月22日 14:00
レモンポップ、ウシュバテソーロ、デルマソトガケの対決に注目が集まるが…
今週末はいよいよサウジカップデー。今年初となる海外GⅠ馬券の発売だ。
フルゲート14頭に日本馬は5頭。昨年の最優秀ダート馬レモンポップ、ドバイワールドCを制したウシュバテソーロが初対戦。さらに昨年のBCクラシック②着馬デルマソトガケに、22年のUAEダービーを制したクラウンプライドは昨年のサウジCの⑤着馬で、コース経験あり。そしてメイショウハリオは帝王賞を22、23年と連覇している実力馬だ。
これらがキングアブドゥルアジーズ競馬場のダート千八を舞台に激突。発走(日本時間では25日午前2時40分)がとにかく待ち遠しい。
昨年はパンサラッサがこのサウジCを逃げ切って、①着賞金約13億円をゲット。そして約1カ月後のドバイワールドCをウシュバテソーロが制して、日本のダート馬は確実にレベルを上げたと言われた。果たして、今年も……となるのか。
ダートの本場といえばやはりアメリカだ。米国の一流馬が本気になって出走してくれば、力をつけた日本勢でも簡単に勝てる相手ではない。
昨年、パンサラッサの②着だったのはカントリーグラマー。アメリカのGⅠハリウッドゴールドCの勝ち馬で、前年のドバイワールドCの覇者でもある。
強豪ではあるが、3冠やブリーダーズCの出走経験はなく、決して超一流馬ではなかった。
だが、今年はアメリカから超一流馬が2頭出走してくるから怖い。
一頭はホワイトアバリオ。昨年はホイットニーS、BCクラシックを連勝。4歳秋に力をつけ、まさに“今が旬”といった印象の芦毛馬だ。
ケンタッキーダービーでは⑯着に大敗したように、二千メートルはやや長い印象もあったが、前走でそれを払拭。得意の千八ならさらに怖さが増す。
日本馬にとっては円安が追い風になって、昨年から1億円ほど賞金がアップしているが、ドル高であっても世界最高の15億円ほどになる①着賞金は魅力がある。アメリカのバリバリが本気になれば、日本馬同士の夢の対戦に浮かれてはいられないだろう。
もう一頭はナショナルトレジャー。昨年の米3冠2戦目、プリークネスS(ダート千九)の勝ち馬で、今年は1月27日のペガサスワールドCを制してサウジ入りする。
今回と同じ千八のGⅠで、②着馬こそ首差だったが、その後ろは4馬身半、6馬身4分の1と離しており、この“二の矢”も警戒が必要だ。
さらに“三の矢”もいる。同じく米国から参戦するサウジクラウンは昨年のGⅠペンシルベニアダービー覇者。2番手に控えたBCクラシックは⑩着と大敗したが、1月20日のGⅢルイジアナSは5馬身4分の3差の逃げ切り。まさに“圧逃”といった感じのレースだった。
このサウジクラウンとナショナルトレジャーはともにスピードの勝った先行タイプである。これに日本のレモンポップが加われば……。当然、タイトな流れになることは間違いなし。日本馬は果たして激流に耐えられるのか。今年、このレースを勝てれば日本馬の強さは本物だ。
ちなみに、海外ブックメーカーのウィリアムヒル社では1番人気がホワイトアバリオ、2番人気がデルマソトガケ、以下、レモンポップ、ウシュバテソーロ、ナショナルトレジャー、サウジクラウンの順となっている。
またアンダーカードも充実しており、21年は5頭、22年は12頭、昨年は20頭だったサウジ遠征馬が、今年は22頭に。今週土曜深夜、日本の競馬ファンは眠れない夜を過ごすことになる。