文句のつけようがない完勝だった。朝日杯ＦＳを無傷の３連勝で制したジャンタルマンタルだ。

　新馬、デイリー杯２歳Ｓの連勝で競馬センスの高さを存分にみせてきていたが、ＧⅠの舞台でも完成度、能力が違った。

　人気を分けた一頭、シュトラウスが出遅れて掛かり、危惧されていた若さを完全に露呈して⑩着に沈んだのとは対照的。好位のインで脚をため、直線入り口で内から先頭に立つと、アッという間に後続との差を広げた。

　馬場の外めへ出す余裕を見せての、勝ちタイム１分３３秒８で１馬身４分の１差だから強さが際立った。

「安心して乗っていました。もっと成長を伴える馬。これから先がますます楽しみ」と初コンビの川田が褒めるから、素質は相当だろう。

　父パレスマリスは１３年の米ベルモントＳ勝ち馬で、今年の春天皇賞馬ジャスティンパレスの９つ上の兄。来年からダーレー・ジャパンで供用されるから、抜群の広告効果ともなったか。

　血統背景から距離が延びても問題ないだろう。無敗ＧⅠ馬として迎える３歳シーズンはマイルかクラシック戦線か。どこを選んでくるか楽しみとなる勝利でもあった。

敗れても収穫あり②着エコロヴァルツ、③着タガノエルピーダ

　また、先が明るくなったといえば、②着エコロヴァルツ、③着タガノエルピーダも。エコロは名手・武豊の復帰後、初ＧⅠ。最内枠から我慢に我慢して後方へと下げて、大外から脚を伸ばした。

　馬にはいい脚質転換となり、同時に名手らしさを感じさせる連対に、有馬記念でドウデュースの復活Ｖを期待するファンも増えたはず。

　タガノは１週前の阪神ＪＦを除外。スライドして紅一点で挑み、馬券絡みした。３番手の正攻法から、差し馬が台頭する中での好走だから、牝馬路線に戻れば、だ。

　レース名の通り、上位組は将来の展望がひらけた走りでもあった。