昨年の覇者タイトルホルダーは3番手▲とした。GⅠ3勝の実績は認めるが、全て阪神の内回り。ゴール前まで上り坂がなく、自然とスパートをかけやすいコース形態だ。
今回は3角手前から4角にかけてアップダウンがある京都外回りで、早めに引き離すのは難しいのではないか。後続も下り坂で加速をつけやすいし、直線は平坦。末脚が切れる馬に差されてもおかしくない。
また、こんな気がかりなデータもある。90年以降、芝二千メートル以上のGⅠ(2、3歳限定を除く)で前走が不良馬場で①着だった馬は〈0029〉と連対なし。11年は金鯱賞を出遅れから完勝したルーラーシップが宝塚記念で2番人気⑤着。17年もキタサンブラックが雨中決戦の天皇賞・秋を制した後のジャパンCで1番人気③着に終わった。
このレースにも過去3頭。いずれも日経賞からの参戦で91年⑤着キリサンシー、95年④着インターライナー、96年③着ホッカイルソーという結果に。タフな競馬を勝ち切ったあとの中長距離戦では、目に見えない疲れが響くのかもしれない。タイトルホルダーもゴールまで粘り切れずは十分に考えられる。
本命はジャスティンパレス。前走・阪神大賞典のレース内容がいい。
ルメールと久々のコンビだったが、逃げたアフリカンゴールドの後ろにつけて折り合いピタリ。直線はいったんディープボンドにフタをされて体勢が微妙に崩れる場面がありながらも、進路ができるとしっかり伸びて突き抜けた。着差以上に強い勝ちっぷりで、まさに充実一途だ。連勝で一気に頂点へ。
入社13年目で普段は編集業務に携わりながら、時に外国馬取材のため競馬場へ通うことも。
競馬との出合いは小学3~4年生のころ、家族と中山競馬場に行ったのが運の尽き(?)。見事にドはまりして現在に至る。週末特別版にてコラム「人気馬を斬る」、関東ローカルでは本紙を担当しています。
記憶に残るレースは2008年の天皇賞・秋と10年のスプリンターズS。前者はウオッカ、ダイワスカーレットによる2センチ差の名勝負を現地で観戦できて今でもいい思い出に。一方、後者は水~金曜まで取材してきた香港馬ウルトラファンタジーに本命を打たず勝たれた悔しさから。
競馬以外では熱狂的な氷室京介ファン。この原稿も自宅でヒムロックを聴きながら書いているくらい、いまだに卒業できません。「ANGEL」や「KISS ME」、バラードなら……あ、スペースがなくなった。