【マイラーズC】栗東滞在、ニューパドックの効果でシュネルマイスター鮮やかに復活

公開日:2023年4月24日 14:00 更新日:2023年4月24日 14:00

 約2年半ぶりの開催となったリニューアル京都で行われたマイラーズCを制したのはシュネルマイスター。鮮やかな差し切りだった。

 出走馬15頭中、唯一のGⅠタイトルホルダー。結局は力が違ったか。

 スタートを決めると、道中は後方待機。馬のリズムを優先したポジション取りだった。絶好馬場で時計も出るだけに前残り、差し遅れもあり得たが、心配無用とばかりに直線は外から圧倒的な決め脚。ラスト3Fはメンバー唯一の32秒台をマークして勝ち切るあたりが力の差といえる。

 振り返ればNHKマイルCを制覇し、世代マイル王として君臨しながらも、4歳の昨シーズンは5戦未勝利。そして今年初戦の中山記念でも④着止まりで勝ち星から遠ざかっていたが、3歳秋の毎日王冠以来となる久々の重賞Vだ。その裏には「是が非でも勝ち星を」という陣営の創意工夫があった。競馬場に長く滞在するとイレ込む面があるタイプ。遠征競馬ではなく、少しでも滞在時間が短くなる当日輸送が理想で、中間はそれが可能になる栗東滞在をチョイス。そして14キロ増の中山記念から今回は逆に14キロ減と絞り込んできた。

 さらにリニューアル京都も味方に。以前よりもパドックから馬場までの動線が短くなり、地下馬道を通る時間が少なくて済む。「競馬場が変わって馬場まで近くなって。うまくテンションが上がらずに済んだ」とはレース後の手塚師。陣営の工夫と新装京都が呼び込んだ復活Vだったのだ。

安田記念の敵はあのジンクス?

 次は2つ目のタイトル取りで安田記念がターゲットに。久々の勝利で勢いがついただけに楽しみになるが、敵は“ジンクス”だけか。

 マイラーズCは意外に安田記念とリンクしていない。本番も勝って連勝を決めた馬となると、94年ノースフライトが実は最後。その後、ローエングリン、ダイワメジャー、リーチザクラウン、イスラボニータなど、何頭も人気になりながら本番で勝てていない。それでも今回の問答無用の差し切りをみればジンクスを吹き飛ばしそうにも思えるが、果たして……。

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