亀井記者の血統ロックオン

フロムダスクの重賞初制覇にブリンカー効果あり!?

公開日:2026年8月11日 07:00 更新日:2026年8月11日 07:15

父ボルトドーロは〝凶暴になって〟種付け中止の過去も

 日曜に中京で行われたCBC賞はボルトドーロ産駒の外国産馬フロムダスクが12番人気で勝利し、波乱の決着となった。

 父はあまり日本ではなじみのない種牡馬なので、軽く触れておきたい。現役時代は米国で8戦4勝。2歳時にGⅠで2勝している。サドラーズウェルズ系ではあるが、エルプラド→メダグリアドーロと米国で発展してきた血筋だ。

 そのため、産駒はいわゆる欧州系のスタミナ型というより、米国型のスピードを伝える傾向が強い。実際、産駒には米国で7Fダートの2歳GⅠデルマーデビュタントSを制したタマラがいる。

 フロムダスクは母の半姉ゲットストーミーが米国の芝でGⅠ3勝。フロムダスクの半姉フーリッシュヒューマーも米国の芝5F勝っており、母系から芝の短距離適性を受け継いだ印象だ。

 加えて、今回2走目となったブリンカーの効果もあったか。というのも父ボルトドーロは気性が激しく〝厩務員が安全に扱うことができないほど凶暴になったことから、種付け活動を中止した時期もあるという。フロムダスクも気難しい面を抱えていたが、前走の鞍馬Sでブリンカーを着用。千二への距離短縮もあって⑤着ときっかけを掴むと、今回はより集中力が増して普段よりも前での競馬ができていた。

 先行有利の中京とはいえ、②着に2馬身差をつけ、1分6秒5の勝ち時計も優秀だ。ブリンカーで気性面の課題をうまくコントロールできたことが、今回の好走につながった可能性は十分にある。

 ただ、今回は内枠でスムーズに流れに乗れたことも大きい。気性面に不安がある馬だけに、条件が噛み合えば強い一方、もろさも同居しているタイプという印象は残る。この勝利をきっかけにひと皮むけることができるかに注目したい。

 ②着はレイピア。タワーオブロンドン×エンパイアメーカーとミスタープロスペクター系同士の配合で、サンデーサイレンスの血を全く持たないピュアスプリンターだ。近走は差す競馬にシフトして大崩れはないものの、サンデー系の瞬発力がない分、直線の長いコースではワンパンチ足りないイメージもある。ここまで福島と阪神の内回りで2勝ずつしているように、直線の短いコースの方がより持ち味を生かしやすいタイプだろう。

 ◎に推したディアナザールは⑨着。ただ、スタートでつまずいて後方からの競馬になった。時計が速く、前有利の今の中京芝では厳しい位置取りだった。同じロードカナロア×ディープインパクトの配合を持つレッドエヴァンスが③着に入っているだけに、舞台そのものは配合イメージに合っていたとみていい。今回は位置取りの差が大きかった。

コントレイル産駒がダート重賞初制覇

 新潟で行われた3歳限定のダート重賞レパードSはチェリヴェントが4番手から抜け出した。

 コントレイル産駒にとって、これがダートでの重賞初制覇。ただし、ディープインパクト直子の種牡馬にはキズナやリアルスティールなどダートで活躍馬を出す種牡馬も意外と多い。コントレイルは祖母のフォークロアが米2歳牝馬チャンピオン。母系は米国色が強く、ダート馬を出す下地は十分にあった。それでも実際に重賞ウイナーを出したことは、価値がある。

 チェリヴェントは3代母トーズノーズが米国のダートGⅢ勝ち馬。母の父サクセスフルアピールも米国のダート短距離路線で活躍しており、自身はミスプロの血を多く内包する配合。こうした血統背景がダート適性につながったのだろう。

 ただし、母は米7FGⅠ③着馬で、母系はスピード寄りの馬が多い。加えて、自身もインリアリティの7×7×7×4のクロスを内包している。今回の勝利でジャパンダートクラシック(二千㍍)の優先出走権を手にしたが、血統的には距離はこれ以上延びない方がいいイメージはある。

 ②着パイロマンサーもパイロ×ハードスパンとスピード寄りの配合。今回の上位3頭で距離が延びて一番いいのはルヴァンスレーヴ産駒の③着メルカントゥールだろう。

ヘニーヒューズ産駒は札幌開催のエルムSでパーフェクト連対継続中

 土曜に札幌で行われたエルムSはルクソールカフェが重賞2勝目を挙げた。全兄は21、22年のフェブラリーSを連覇したカフェファラオ。ルクソール自身も東京マイルの武蔵野Sで重賞初勝利を挙げており、まさに東京千六マイスターの血筋だ。

 今回は札幌の千七での勝利だったが、札幌はローカルでもコーナーが緩やかなのが特徴。もともと大箱の東京を得意とする同馬にはコーナーで減速を強いられにくい舞台が合っているのだろう。しかも道中もほぼ平坦で、速いペースを維持し続ける持続力が重要となる。

 実際、ルクソールは道中9→5→4番手と徐々にポジションを上げての差し切り。東京の長い直線で走り切るだけの脚力が札幌でも生きたということだ。

 直線が長い左回りと言えば中京のチャンピオンズCも同じように思えるが、中京は3~4コーナーが下り坂でスパイラルカーブになっている。下り坂の勢いのまま4コーナーに入ると外に膨れてしまうため減速する必要があるのだが、昨年は4コーナーをうまく曲がれず⑮着に敗れている。カフェファラオもチャンピオンズCでは⑥⑪着だったように、同じ「直線の長い左回り」でもコース形態によって適性が変わることは覚えておきたい。

 血統面でもう1頭注目したいのが②着のペリエールだ。父は札幌千七に強いヘニーヒューズで、自身も昨年のエルムS勝ち馬。近走は結果が出ていなかったが、今回は先行策から正攻法の競馬で連対を確保した。

 これでヘニーヒューズ産駒は札幌開催のエルムSでは5頭が出走して①②①①②着とオール連対。来年以降も産駒が出走してくれば真っ先に狙いたい種牡馬だ。


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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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