TCCセラピーパークで繫養
ハーツクライを父に持つメイショウナルトは2010年の8月に小倉でデビュー。2戦目の未勝利戦で勝ち上がると、3年後には3勝クラスの身ながら格上挑戦で小倉記念を勝利。待望の初重賞タイトルは当時のレコードで、後のGⅠ2勝馬ラブリーデイを破る金星だった。翌年は福島で七夕賞も制するなど小回りコースを得意とした。その後、転厩とともに障害に転向したが、18年6月のレース後のケガをキッカケに引退した。今どうしているのか。
「セラピーホースとして子供を乗せ、輪投げしたりしています」
「引退後は治療して乗用馬に向けたリトレーニングも行われたのですが、競走能力喪失と診断されるほどの大ケガでしたので、乗馬で走るときの負荷も大き過ぎて転用は断念。19年末にウチに移動してきました」
こう言うのは、「TCC Therapy Park(セラピーパーク)」の担当者だ。滋賀県栗東市にあり、JRAの栗東トレーニングセンターからは北に車で10分ほど。「馬を救い、人を癒す」をテーマに活動する施設だという。
「メイショウナルトは、セラピーホースとしてほかの5頭とともに活動しています。馬と触れ合ったり、ブラッシングしたりすると、人も馬も癒やし、癒やされます。心身にトラブルを抱えた子供たちがそうやって馬に接することで、心を開くキッカケになる。ざっくりいうと、それがセラピーホースの活動です。たとえば、セラピーホースに子供が乗って、車の駐車禁止を示すときなどに使うカラーコーンに輪投げするのは人気メニューの一つ。これくらいの負荷なら、ナルトの脚元にも負担はありません。ナルトが子供を乗せて歩いてコースに出て、輪投げした子供はとても喜ぶんです」
サラブレッドの体高は160~170センチほど。小さな子供も馬に乗ったら、目線の高さは2・3メートルぐらいにはなるだろう。慣れないうちはおっかなビックリかもしれないが、慣れたら子供が喜ぶのも納得だ。
「現役時代のナルトは気性が激しく、4歳で去勢していますが、こちらではとてもおとなしい。子供たちにも穏やかです」
セラピーホースは午前中に適度な運動で健康管理に努め、子供が学校から帰ってくる夕方からセラピーホースとして活動を行うという。
「ただ、ナルトが子供たちと接するのは週末やイベントのときなどで、平日はほかの5頭がローテーションで担当します」
5頭は、ダートで6勝して米ブリーダーズカップにも2度出走したジャスパープリンス、9戦4勝で日経新春杯②着もあるレッドレオンなど中央でおなじみの馬のほか、名古屋などで6勝をあげたハローマイキーなど個性派ぞろいだ。
TCC自体は乗馬クラブではないが、理念が共通する乗馬クラブと提携し、連携しながら引退競走馬を救う活動を行っているという。
「提携施設数は東北から九州まで42カ所。そのうち36カ所で馬を預託しています。ファンの方は、ウマシェアとして1口月5500円からお気に入りの馬を支援することができ、そうやってウマシェアオーナーになると、預託先の乗馬クラブで会員価格で乗馬やふれあいサービスを楽しむことができます」
HPにはナルトをはじめ在籍馬の支援状況が記されている。お気に入りの馬を探してサポートしてみますか?
























