凱旋門賞を目指す日本馬の四馬四様
公開日:2025年8月28日 14:00 更新日:2025年8月28日 14:00
好感が持てる現地の前哨戦出走
日本のホースマンの悲願である凱旋門賞制覇。今年は10月5日にパリロンシャン競馬場で行われる。日本からは現在、4頭が出走予定だ。
先陣を切って7月27日に出国し、8月16日の芝二千メートルのGⅡギヨームドルナノ賞を逃げ切ったのがアロヒアリイ。皐月賞⑧着以来の出走を勝利で飾り、一躍、知名度を上げた。
昨年⑫着だったシンエンペラーは2年連続の凱旋門賞挑戦。ローテーションも昨年と同じく、GⅠ愛チャンピオンSからとなる。こちらは9月13日のレパーズタウン競馬場、芝二千メートルが舞台。昨年の③着から前進はできるか。28日に成田空港から出発する。
本番と同じパリロンシャン競馬場でステップレースを使うのは2頭。
9月7日、〝アークトライアル〟のGⅡフォワ賞から本番を目指すのがビザンチンドリーム。近年は本番への結びつきが弱いレースだが、これは凱旋門賞まで中2週だったため。今年からは中3週となる。
フォワ賞、本番と2走前のサウジアラビア、GⅡレッドシーターフH快勝時の鞍上だったマーフィーが手綱を取る。
今年のダービー馬クロワデュノールは14日、芝二千メートルのGⅢプランスドランジュ賞を使って本番へ。昨年までは3歳限定戦だったものの、今年からは古馬にも開放。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSの勝ち馬カランダガンが登録しており、もしかするといきなり強豪と対戦することになるかもしれない。
このように、今年は4頭すべてが現地で一戦してから本番へと向かう。
これまで日本馬が凱旋門賞で②着したのは過去に4回。99年エルコンドルパサーは早くに渡仏して、5月のGⅠイスパーン賞②着→GⅠサンクルー大賞①着→GⅡフォワ賞①着と現地で3戦を消化していた。
10年のナカヤマフェスタはフォワ賞②着から。12、13年のオルフェーヴルはともにフォワ賞①着からである。
逆に現地で使わず、日本からの直行では06年ディープインパクトの3位入線(のちに失格)が最高で、日本馬の連対条件は一度現地で走って、なおかつ②着以上ということになる。
まずはアロヒアリイがこの条件をクリアした。他の3頭は果たしてどのような前哨戦となるか。
三者三様ならぬ、四馬四様の選択。いずれにせよ、本番が楽しみとなる走りを期待したい。