【日本ダービー】皐月賞の高速決着が鍵──。 ミュージアムマイルは〝頭〟では狙えない!?
公開日:2025年5月29日 14:00 更新日:2025年5月30日 11:00
皐月賞の高速決着にダービーの連勝例なし
昔から「皐月賞は速い馬、ダービーは運がいい馬、菊花賞は強い馬」が勝つと言われている。
もっともダービーを運だけで勝てるわけではないが、枠順や展開、馬場状態、体調なども含めて、運は必要かもしれない。
ただ、「皐月賞は速い馬が勝つ」は近年の傾向を見ていくと正しいか。それは高速化が目立っているからだ。
13年にはロゴタイプが1分58秒0のコースレコード勝ち。そして16年にはディーマジェスティが1分58秒の壁を破り、1分57秒9をマークした。
だが、翌年にはその時計は早くも更新され、アルアインが1分57秒8をマークしている。
しばらくは、この時計がレースレコードだったが、24年にはジャスティンミラノが1分57秒1と大幅にレコードを更新。かと思ったら、今年のミュージアムマイルは1分57秒0とさらに0秒1、レースレコードを塗り替えている。
このようにどんどん高速化が進む皐月賞。まさに「速い馬が勝つ」結果となっているが、では皐月賞が高速決着になった時、ダービーではどうだったか。順を追って見ていこう。
まずは13年ロゴタイプはダービーで⑤着。キズナが制した時だ。のちに安田記念を制したように、適距離はマイルから二千メートルだったようで、ダービーを最後に二千四百メートル以上のレースには一度も出走していない。
16年のディーマジェスティはダービーで③着。皐月賞②③着のマカヒキとサトノダイヤモンドが繰り上がる形で①②着だった。
17年のアルアインはダービーで⑤着。皐月賞で⑤着だったレイデオロが勝利を飾った。アルアインは2年後に大阪杯で2度目のGⅠ勝ち。こちらも本質的には二千メートルがベストだったか。
そして昨年のジャスティンミラノはダービーで②着。その後、故障が判明して早期に引退となった。逆転Vを果たしたのは皐月賞では競走除外となったダノンデサイルである。
つまり、皐月賞が高速決着の年の勝ち馬で、ダービーも連勝した馬はゼロ。となれば、ミュージアムマイルも「①着」はない!? ちなみに、ロゴタイプに次ぐ時計だった19年サートゥルナーリアもダービーは④着。連勝して2冠馬となった馬の中で、皐月賞の最速時計は15年ドゥラメンテの1分58秒2だ。
歴史が教えるところは「皐月賞を速く勝った馬はダービーを勝てない」だが、果たして……。