【スプリングS】勝ったピコチャンブラックもホープフルS負け組
公開日:2025年3月17日 14:00 更新日:2025年3月17日 14:00
いつまで経っても変わらない3歳牡馬はクロワデュノール1強
ゴール後、鞍上の石橋は右手のガッツポーズが自然と出るほどのうれしい勝利となった。
GⅡスプリングSは2番人気ピコチャンブラックが先行抜け出しで、重賞タイトルを手にした。
昨暮れのGⅠホープフルSでは3番人気に支持されたが、多岐にわたり若さを露呈して、⑬着と惨敗していた。
そこから2カ月半。陣営は乗り手の指示に従うように、テンションを上げないよう工夫をして調整。そして、鞍上の石橋も4週続けて追い切りに騎乗して、実直に馬をつくってきた。
この日は前走とは違って、パドックや返し馬、輪乗りでも落ち着きを見せて、成長をうかがわせていた。レースでは3番手外追走から3角手前でまくる馬がきた時に突っぱねる形で一緒に動いてペースアップ。かぶされて息の入りにくい展開となったが、結局は後続を振り切って押し切る強い内容だった。しかも、石橋にとってこれが厩舎開業時から調教を手伝っている上原佑調教師への重賞初勝利ともなれば、その喜びもひとしおだろう。
しかし、この勝利でその強さがより際立ったのが、GⅠホープフルSを制した3戦無敗のクロワデュノールだ。
ホープフルSで負かした③着馬ファウストラーゼンがGⅡ弥生賞ディープインパクト記念を、そして④着馬ジュタが若駒Sを勝てば、⑪着だったマスカレードボールもGⅢ共同通信杯をV。そして今回の⑬着馬ピコチャンブラックと、退けた相手が次々、クラシック路線で勝利を収めている。
その他ではGⅢきさらぎ賞①着のサトノシャイニングも、その前走のGⅡ東スポ杯2歳Sでクロワの②着に敗れている。
直接対決していない純然たる新興勢力となる馬が見当たらず、強いて言えばGⅢ京都2歳S①着のエリキングあたりになるが、こちらは前走後に骨折が判明している。
いずれにしても、クラシック第1弾の皐月賞まで1カ月となったが、昨暮れ同様、“クロワデュノール1強”は変わりがないようだ。