「18歳の割に結構やんちゃ。衰えはまったくありません」
ヒットザターゲットは2012年、4歳になってオープン入りすると、春の新潟大賞典で重賞制覇。翌年は小倉大賞典に続き、秋は天皇賞の前哨戦・京都大賞典で単勝1・2倍のゴールドシップを⑤着に退ける金星を挙げた。「大賞典キラー」と呼ばれ、15年の目黒記念を含めて重賞4勝の活躍で、18年に競走生活を終えた。今、どうしているのか。
引退後は、東京・世田谷にあるJRA馬事公苑で乗馬になるも、21年からは青森県立三本木農業恵拓高校馬術部に移動したことが分かった。顧問の先生に話を聞いた。
「本校に移動してきたのは21年9月24日付です。馬術部の生徒は、ヒットと呼んで毎日世話をしています。ジャパン・スタッドブック・インターナショナルが行っている引退名馬繋養展示事業の対象となっているため、馬術部に在籍するサラブレッドですが、規定で馬術の大会などには出られません。生徒が馬の特性や飼育技術、社会とのかかわりなどを学ぶために世話をしています」
部員は現在16人で、馬はヒットを含めて4頭いる。学校が休みの日曜日はもちろん、夏や冬、春などの長期休暇中も生徒たちがローテーションで世話をしている。生徒の休みは、「12月30日から1月3日のみ」で、この5日間は顧問2人が交代で世話するそうだ。
生徒が勉強などをしているとき、ヒットは馬房でのんびりしているのだろうか。
「いえいえ、生徒が登校してから部活が始まるまでは放牧しています。放牧地の広さですか? 大体400平方メートルくらいです。ヒットは12歳の馬と群れることが多いのですが、その馬は現在、馬術の大会で遠征のため不在。別の2頭と群れることはなく、1頭でのんびりしています。『気楽でいいなぁ』といった様子で“独身”を楽しんでいる感じですね」
毎日の授業が終わると、生徒たちが馬房にやって来る。
「元々、そうなのか、勝ち気なところがあって、1年生で不慣れな生徒などには噛むこともある。18歳の割に結構やんちゃな性格で、衰えはまったくありません。脚元も丈夫で、毛ヅヤもよく、内臓も健康。おかげさまで元気ですよ」
大会には出ないが、生徒たちが乗ることはあるのだろうか。
「鞍をつけて乗り運動することはあります。常歩(なみあし)や速歩(はやあし)、駈足(かけあし)と生徒の技術に応じたスピードで乗ります」
功労馬として繋養しているだけに、見学も可能でファンも時々会いに訪れるという。
「先日も、東京からご夫婦がいらっしゃいました。さすが重賞4勝馬ですよね。昨年は兵庫から来られた方もいました。皆さん、ヒットのぬいぐるみや競馬場に飾るような横断幕を持って来られ、一緒に記念撮影されています」
馬術部の部員は、動物科学科に在籍する生徒がほとんどで、卒業後は半数くらいが馬をはじめ畜産関係の仕事に就くという。































