3日間開催では土、日に東京で重賞が行われた。日曜のメインは牝馬限定戦のアイルランドT。一昨年以前は府中牝馬Sとしてこの時期に行われていた(現在の府中牝馬Sは6月)。以前の府中牝馬Sの時代から中距離馬が活躍するレースだったのだが、今年は昨年のオークス馬カムニャックが勝利。傾向は継続となった。
父ブラックタイド×母の父サクラバクシンオーはキタサンブラックと同配合。カムニャックは3代母にオークス馬のダンスパートナーがいる中距離型だ。今春はマイルを2戦したが、そもそも春の古馬牝馬限定のGⅠはヴィクトリアマイルしかないので、このローテーションを選択したのだろう。2、3歳時もマイルは2戦して⑥④着だから、やはり距離は短い。その点、今年は②②着でヴィクトリアマイルでは生粋のマイラーのエンブロイダリーと0秒2差だったのだから上々の内容だ。
キタサンブラック同様、古馬になって力を付けているのに加え、サンデーサイレンスの2×4のクロスを内包する大箱コース向きの配合。マイル戦でもワンターンだった分、まだ対応ができたのだろう。今回は前走と同じ東京でも1F長い千八。それも中距離馬が活躍するレースだ。適舞台なら力が違った。文句なしの秋初戦だった。
②着ジョスランはエピファネイア×ハーツクライというよりも、エフフォーリアの全妹と言ったほうが分かりやすいだろう。春はマイル初参戦だったヴィクトリアマイルで⑧着だったが、距離が短かっただけ。血統的にはやはり中距離でこそだ。こちらもサンデーサイレンスの4×3のクロスがあり、東京コースは合っている。兄と比べると成長曲線がゆっくりで、よりロベルト系×ハーツクライらしいタイプ。もうひと伸びあっていい。
昨年の勝ち馬ラヴァンダが③着。シルバーステート産駒で、母ゴッドパイレーツは千七~千八のダートで4勝。ロベルトの4×5のクロスがスタミナを強化している配合だ。サンデーサイレンスのクロスを持たない分、①②着馬とは決め手の差が出たか。
一方、人気どころでは3番人気のクイーンズウォークが⑧着。同馬は母ウェイヴェルアベニューが母の父ミスプロ系、祖母の父デピュティミニスター系、曾祖母の父ボールドルーラー系と、米国スピード型を重ねた配合。父キズナもストームキャットを持つ。金鯱賞勝ち馬だが、配合的にはマイラー型だから舞台とは噛み合わない。この結果から、来年以降もこのレースは中距離型を積極的に買いで正解だろう。
新種牡馬エフフォーリア産駒が重賞初制覇
土曜のサウジアラビアロイヤルCはアゴルディーノが差し切り。新種牡馬のエフフォーリア産駒の重賞初勝利となった。
やはり決めたのは母の父サンデーサイレンス系だった。ここまでエフフォーリア産駒は13頭が勝ち上がっているが、うち8頭が母の父サンデーサイレンス系。以前にこのコラムでも書いたことがあるが、サンデーのクロスで瞬発力を補う配合が結果を出している。
今回のアゴルディーノも上がり3Fはメンバー最速の33秒4で差し切り。東京の決め手勝負を勝ち切ったことは来年以降に繋がってくる。新馬戦は千二で勝ち上がったが、半兄ケイティクレバーが二千㍍で3勝。中距離までは十分守備範囲だ。近年の同レースは24年①着アルテヴェローチェなどモーリス×ディープインパクトの配合の活躍が目立ったが、同じロベルト系のエフフォーリア×ディープインパクトが今後のトレンドになるかもしれない。
②着はシルバーステート産駒のサトノハクマイ。シルバーステート産駒は小回りコースに良績があり、サトノハクマイも新馬勝ちは道悪の中山マイルで2番手から押し切り。決め手のあるイメージではなかっただけに〝よく粘ったな〟の印象だ。母の父はBMSとして非常に優秀なピヴォタルである点も大きい。ピヴォタル自身は短距離路線で活躍したが、母系に入ると中距離型を出す傾向がある。宝塚記念や日経新春杯を制したミッキーロケットの母の父がピヴォタルだ。小回り、中距離の持続力勝負ならさらに良さが出るのではないか。
③着は1番人気のフィリオソラーレ。エピファネイア×ハービンジャーの配合は成長力のある中距離型。1月生まれで2歳のこの時期でも走っているが、本格的に良くなるのはもう少し先になるか。サンデーサイレンスの4×3のクロスを持つ瞬発力型の配合。2戦連続で東京マイルで上がり33秒台の脚を使っており、決め手勝負は得意なタイプだろう。
フライトライン産駒のデミアンは⑨着。デビュー戦は東京芝で上がり33秒6の脚を使っているが、米国型の配合で本来は切れるタイプではない。スタートで後手を踏んでの瞬発力勝負で持ち味が生かせなかった。距離は延びたほうがいい配合だけに、中距離で先行して持続力勝負の競馬で変わらないかと思っている。
ダイヤモンドノットは7F戦のスペシャリスト
月曜に京都で行われたスワンSはダイヤモンドノットが好位から抜け出した。1番枠から好位の内めを追走し、ロスなく走れたことも良かったのだろう。血統的には祖母がウィキウィキで母エンドレスノットはマカヒキ、ウリウリの全姉という良血だ。父ブリックスアンドモルタルがストームバードの3×3のクロスを持っており、祖母の父はフレンチデピュティだから、スピード色が濃い。これで7F戦は5戦して4勝②着1回と距離のスペシャリスト。開幕2週目で時計の出やすい馬場もマッチした。
7番人気のスズハロームが②着。紙面上の印は▲だったが、本命も悩んだ1頭だ。というのも父がディープインパクト直子のサトノダイヤモンド。母の父がキングヘイロー直子のローレルゲレイロだから、ヘイロー、サーアイヴァー、ドローンと血統構成の近い3頭の血を豊富に持っている。スワンSではこの3頭の血を持つ馬が走る傾向にある。馬券を買う上でも有用なので覚えていて損はないだろう。


























