亀井記者の血統ロックオン

オークス馬カムニャックV 今年も中距離型が強かったアイルランドT

公開日:2026年10月13日 07:00 更新日:2026年10月13日 07:00

 3日間開催では土、日に東京で重賞が行われた。日曜のメインは牝馬限定戦のアイルランドT。一昨年以前は府中牝馬Sとしてこの時期に行われていた(現在の府中牝馬Sは6月)。以前の府中牝馬Sの時代から中距離馬が活躍するレースだったのだが、今年は昨年のオークス馬カムニャックが勝利。傾向は継続となった。

 父ブラックタイド×母の父サクラバクシンオーはキタサンブラックと同配合。カムニャックは3代母にオークス馬のダンスパートナーがいる中距離型だ。今春はマイルを2戦したが、そもそも春の古馬牝馬限定のGⅠはヴィクトリアマイルしかないので、このローテーションを選択したのだろう。2、3歳時もマイルは2戦して⑥④着だから、やはり距離は短い。その点、今年は②②着でヴィクトリアマイルでは生粋のマイラーのエンブロイダリーと0秒2差だったのだから上々の内容だ。

 キタサンブラック同様、古馬になって力を付けているのに加え、サンデーサイレンスの2×4のクロスを内包する大箱コース向きの配合。マイル戦でもワンターンだった分、まだ対応ができたのだろう。今回は前走と同じ東京でも1F長い千八。それも中距離馬が活躍するレースだ。適舞台なら力が違った。文句なしの秋初戦だった。

 ②着ジョスランはエピファネイア×ハーツクライというよりも、エフフォーリアの全妹と言ったほうが分かりやすいだろう。春はマイル初参戦だったヴィクトリアマイルで⑧着だったが、距離が短かっただけ。血統的にはやはり中距離でこそだ。こちらもサンデーサイレンスの4×3のクロスがあり、東京コースは合っている。兄と比べると成長曲線がゆっくりで、よりロベルト系×ハーツクライらしいタイプ。もうひと伸びあっていい。

 昨年の勝ち馬ラヴァンダが③着。シルバーステート産駒で、母ゴッドパイレーツは千七~千八のダートで4勝。ロベルトの4×5のクロスがスタミナを強化している配合だ。サンデーサイレンスのクロスを持たない分、①②着馬とは決め手の差が出たか。

 一方、人気どころでは3番人気のクイーンズウォークが⑧着。同馬は母ウェイヴェルアベニューが母の父ミスプロ系、祖母の父デピュティミニスター系、曾祖母の父ボールドルーラー系と、米国スピード型を重ねた配合。父キズナもストームキャットを持つ。金鯱賞勝ち馬だが、配合的にはマイラー型だから舞台とは噛み合わない。この結果から、来年以降もこのレースは中距離型を積極的に買いで正解だろう。

新種牡馬エフフォーリア産駒が重賞初制覇

 土曜のサウジアラビアロイヤルCはアゴルディーノが差し切り。新種牡馬のエフフォーリア産駒の重賞初勝利となった。

 やはり決めたのは母の父サンデーサイレンス系だった。ここまでエフフォーリア産駒は13頭が勝ち上がっているが、うち8頭が母の父サンデーサイレンス系。以前にこのコラムでも書いたことがあるが、サンデーのクロスで瞬発力を補う配合が結果を出している。

 今回のアゴルディーノも上がり3Fはメンバー最速の33秒4で差し切り。東京の決め手勝負を勝ち切ったことは来年以降に繋がってくる。新馬戦は千二で勝ち上がったが、半兄ケイティクレバーが二千㍍で3勝。中距離までは十分守備範囲だ。近年の同レースは24年①着アルテヴェローチェなどモーリス×ディープインパクトの配合の活躍が目立ったが、同じロベルト系のエフフォーリア×ディープインパクトが今後のトレンドになるかもしれない。

 ②着はシルバーステート産駒のサトノハクマイ。シルバーステート産駒は小回りコースに良績があり、サトノハクマイも新馬勝ちは道悪の中山マイルで2番手から押し切り。決め手のあるイメージではなかっただけに〝よく粘ったな〟の印象だ。母の父はBMSとして非常に優秀なピヴォタルである点も大きい。ピヴォタル自身は短距離路線で活躍したが、母系に入ると中距離型を出す傾向がある。宝塚記念や日経新春杯を制したミッキーロケットの母の父がピヴォタルだ。小回り、中距離の持続力勝負ならさらに良さが出るのではないか。

 ③着は1番人気のフィリオソラーレ。エピファネイア×ハービンジャーの配合は成長力のある中距離型。1月生まれで2歳のこの時期でも走っているが、本格的に良くなるのはもう少し先になるか。サンデーサイレンスの4×3のクロスを持つ瞬発力型の配合。2戦連続で東京マイルで上がり33秒台の脚を使っており、決め手勝負は得意なタイプだろう。

 フライトライン産駒のデミアンは⑨着。デビュー戦は東京芝で上がり33秒6の脚を使っているが、米国型の配合で本来は切れるタイプではない。スタートで後手を踏んでの瞬発力勝負で持ち味が生かせなかった。距離は延びたほうがいい配合だけに、中距離で先行して持続力勝負の競馬で変わらないかと思っている。

ダイヤモンドノットは7F戦のスペシャリスト

 月曜に京都で行われたスワンSはダイヤモンドノットが好位から抜け出した。1番枠から好位の内めを追走し、ロスなく走れたことも良かったのだろう。血統的には祖母がウィキウィキで母エンドレスノットはマカヒキ、ウリウリの全姉という良血だ。父ブリックスアンドモルタルがストームバードの3×3のクロスを持っており、祖母の父はフレンチデピュティだから、スピード色が濃い。これで7F戦は5戦して4勝②着1回と距離のスペシャリスト。開幕2週目で時計の出やすい馬場もマッチした。

 7番人気のスズハロームが②着。紙面上の印は▲だったが、本命も悩んだ1頭だ。というのも父がディープインパクト直子のサトノダイヤモンド。母の父がキングヘイロー直子のローレルゲレイロだから、ヘイロー、サーアイヴァー、ドローンと血統構成の近い3頭の血を豊富に持っている。スワンSではこの3頭の血を持つ馬が走る傾向にある。馬券を買う上でも有用なので覚えていて損はないだろう。

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亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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