東西トレセン、競馬場を駆け回る!これが現場記者の1週間だ

公開日:2021年4月29日 17:00 更新日:2021年4月29日 17:00

 読者に馬券直結のホットな情報を送り届けるべく、日々、現場を駆け回っているレース部の現場記者たち。週中は東西のトレーニングセンター、週末は競馬場でどんな取材をしているのか。

 その精力的な仕事の様子をお届けしよう。

■早起きが得意じゃないと勤まらない!?

 競馬の翌日にあたる月曜は全休日。したがって記者の仕事も火曜からスタートする。当番になった記者やカメラマンがトレセン入り。翌日の追い切り(別欄参照)の時間や、その週に使う馬の予定などを陣営に聞いて回る。とはいえ、まだ土、日に行われた競馬の余韻が冷めやらぬ日。「あの不利が痛かったな~」「実はレース前にこんなことがあってさ」など、思わぬ次走のヒントが聞けることも。

 ちなみに、トレセンの朝は早く、馬場が開場する時間は夏が5時、春、秋が6時、冬が7時となっている。そのため、競馬記者は早起きが得意な半面、休みの日も早朝に起きてしまう職業病を抱えている人が多い!?

■追い切りとは

 競走馬がレース出走に向けて調教で速い時計を出すことを「追い切り」という。

 美浦、栗東の両トレーニングセンターのウッドチップ、ポリトラック、芝、ダート、坂路のいずれかのコースで、レース週の水曜、もしくは木曜に最終追い切りが行われる。

 坂路(800メートル)は自動計時だが、その他は記者が手動で採時する。ウッドチップだと残り1000メートル(5F)前後からスタートして、ゴールに向かって加速していくパターンが多い。

 1頭で追うと単走、2頭以上で馬体を併せて追われるのが併せ馬。記者は時計だけではなく、ゼッケンを確認して乗り役、脚色(馬なり、強め、一杯追など)、コースの内、外をチェックしなくてはならない。

 含水率やウッドチップの入れ替えなどの影響で時計がかかったり速くなったりと、日によって大きく変わることがある。追い切り速報では「けさの馬場状態」でその日のコンディションを詳報しているので、参考にしていただければ。

■追い日の水曜は慌ただしく動き回る

 当該週にレースを使う多くの馬が速い時計を出す追い日。トレセンのスタンドにもマスコミが増えて、緊張感が一気に高まる。

 まずやるべき仕事が追い切り速報の紙面をつくること。コースで時計を採る組、坂路モニターにかじりつく組に分かれて重賞に使う馬の動きをつぶさにチェック。さらに引き揚げてきた乗り手や調教師に取材して、急いで原稿を書き上げる。

 9時までには入稿しないと印刷に間に合わなくなるので、開門の遅い冬場は特に慌ただしい。GⅠがある週は決められた会見の時間に合わせて動かなくてはいけないため、記者同士の連携も重要になってくる。

 しかも、速報と並行して週末に向けての取材も進めていかなくてはならない。出走予定の馬を陣営に確認。厩舎によっては調教師や助手が決まった時間に調教スタンドに来て、取材に応じてくれることもある。

 午後はまず出走予定のメンバーを見ながら下調べ。そして、コロナ禍で規制される前は担当厩舎を回って密着取材を行ったり、勝ち祝いや忘年会などに呼んでもらえることが多かったのも水曜だ。一日も早く日常を取り戻して、厩舎関係者との“濃い”お付き合いが復活することを記者一同、切に願っている。

■木曜は出馬投票。最も長い一日

 競馬記者にとって1週間で最も長い一日。朝はその週に使うメンバーがだいぶ固まってきたことを踏まえて、詰めの取材を行う。水曜に比べると乗り手も空き時間が増えるケースも多いため、じっくりと話を聞くことができる。

 また、数は多くないものの、この日に追い切りを行う馬もチェックしなくてはならない。関東の堀厩舎などは代表的な木曜追いの厩舎だ。

 午後からも大忙し。出馬投票が行われるのも木曜で、15時ごろに除外馬(出走馬決定順や抽選などで出走枠に入れなかった馬)が発表。16時ごろにはその週の出走馬が全て確定する。

 そこから金曜発行(土曜競馬)分の「出走馬の特選情報」や各自のコラムを入稿。さらに、編集部から送られてきた馬柱を使って、一鞍一鞍じっくりと予想する。力が入って、深夜までかかることも……。

■競馬の前日は入稿に予想に大忙し

 まずは土曜競馬分の紙面を発行することに全力投球する。朝10時の枠順確定に合わせてレース編集部、整理部、校閲部が一丸となってフル回転。新聞を輸送する関係でタイムリミットがあり、ミスが許されない緊張した時間帯だ。

 一息ついたら今度は土曜に発行する週末特別版の作成に取りかかる。苦労した週中の取材も原稿になってこそ生きるというもの。読者の馬券検討に少しでもお役に立ちたい(自分も馬券で儲かりたい)という思いで日曜競馬の予想にいそしむ。

 全ての入稿、予想が終わった時は、毎週のことながら達成感がある。サラリーマンの多くがそうであるように、競馬記者も金曜の夜に飲むビールはうまい!

■週末は検量室でジョッキー直撃

 競馬場入り。最初の緊張は9時半に発表される枠順発表前の出走取り消しだ。

 自分の本命馬にアクシデントがあるようだと、短時間で予想変更と原稿の書き直しを余儀なくされる。祈る思いでJRAの発表を待つ。

 そして、10時に枠順が確定した出馬一覧表を本社に送ったら、あとは馬券に専念――といきたいところだが、やることはいっぱい。パドック、返し馬、レースを見て検量室でジョッキーに取材。その日の出来事や競馬場の様子など、SNSでも配信している。日刊ゲンダイ競馬の公式ツイッター(@gendai_keiba)は要チェックだ。

■馬券でヤラれてもめげるヒマなく取材に集中!

 朝から競馬場に詰めかけて一日中レース取材。少しでも気になることがあれば、検量室でジョッキーを直撃する。そして最も重要な任務がメインレース後のインタビューだ。勝ち馬の談話はもちろん、②着以下も一頭でも多く敗因を取材していく。

 紙面ではスペースの都合で全てを掲載できないが、日刊ゲンダイDIGITAL競馬では有料会員向けにノーカット版の掲載もある。

 取材が終わったら月曜発行のレース回顧用にデスクと連絡を取って見解をすり合わせる。その日の馬券の結果で気持ちが揺らぐこともなく、無心で仕事に励む……なんてことが可能なデキた人間はゲンダイのレース部には少ない。

「働いたのに金が減ったよ~」なんて愚痴をこぼさずに済むように、我々は今週も取材に予想に全集中です!!

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