馬主歴50年 歌手 北島三郎さん 17年日本ダービー直前独占インタビュー再掲載

公開日:2021年5月5日 17:00 更新日:2021年5月5日 17:00

 演歌界の大御所で7冠馬キタサンブラック(2018年1月引退、種牡馬)のオーナーとして知られる北島三郎さんを本紙がインタビューしたのは17年5月。この年、キタサンブラックはラストランの有馬記念を制する快挙を成し遂げたが、その7カ月前、北島さんが競馬への熱い思いとキタサンブラックについて語ってくれた。その内容を再掲載します。(17年5月26日付)

 北島さんは実家(北海道上磯郡知内村、現・知内町)に農耕馬がいたため、小さい頃から馬と親しんできた。オーナーになるきっかけは、かつての所属事務所(新栄プロダクション)の西川幸男会長をはじめ、先輩の春日八郎さん、村田英雄さんらに勧められたからだという。現在、JRAだけでも13頭を所有、総大将が16戦10勝、現役最強馬キタサンブラックだ。

 ――サラブレッドの魅力を教えてください。

北島 つねに前を向いて、ゴールを目指して、けなげに頑張って走る。その姿に人生が重なり、ジーンとくるんだよ。 

 ――キタサンブラックの最初の印象は。

北島 若馬の時は脚が細く、長い感じだった。例えるなら青春時代の石原裕次郎さんみたいな感じかな(笑い)。今は全体的に筋肉がつき、アスリートのようにたくましくなった。馬体重だって510キロでデビューしたのに、今は540キロ近くなったもの。速さに加え、スタミナも増したよ。

 ――ダービーで思い起こすことはありますか。

北島 サラブレッドにとって生涯一度のお祭りレース。持ち馬ではキタサンチャンネル(01年=⑯着)と、キタサンブラック(15年=⑭着)が出場したけれど、残念な結果でした。でも、晴れ舞台に立てたことは光栄に思っています。 

 ――あのブラックが残念な⑭着……。

北島 18頭立て17番という外枠から、ブンブン飛ばして行っちゃった(笑い)。今思うと、目に見えない疲れがあったかもしれないね。それからは休養を十分取らせて、余裕をもったローテーションに変えたんだ。すると、一戦ごと見違えるように成長していってくれた。

 ――09年ダービーでは国歌を独唱しました。

北島 ええ、はっきりと覚えていますよ。当日は大雨だったけど、歌う瞬間にはさっと晴れてくれた。登場した時は大きな声援をいただき、歌い始めたら競馬場全体がシーンとして厳かになり、最高の気分で歌いましたよ。これもダービーでの素晴らしい思い出です。

 ――馬をこよなく愛する北島さんからファンにメッセージを。

北島 自分も夢を追いかけ北海道から出てきました。どうしていいかわからない時も、遠くに光る灯台のように“夢”は見失わなかった。同じ北海道から出てきた馬たちも、一生懸命に走って「ダービー」という晴れの舞台を迎えるわけです。何事も諦めず「夢は逃すな」と言いたいなぁ。

  ◇  ◇  ◇ 

 北島さんにとって競馬はかけがえのない趣味のひとつであり、今後も「愛馬と夢を追い続ける」と語った。初心を忘れず、故郷を思う気持ちに変わりはない。冠名の「キタサン」は「北」島「三」郎から、誰にもすぐに分かる馬名を選んだ。今の競馬人気は誰からも親しまれる“キタサン効果”が大きい。ファンは「サブちゃん!」「キタサンブラック!」と熱い声援を送る。

(聞き手/峯田淳・山岡孝安)

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