自身の名がついたレースで ディープインパクト産駒が史上最速ペースで重賞10勝目に到達
公開日:2020年3月12日 17:00 更新日:2020年3月12日 17:00
先週のGⅡ弥生賞ディープインパクト記念を制したのは2番人気サトノフラッグ。テン乗り武豊が、ディープの名前がついた最初の年にその産駒で勝つあたり、やはり絵になる男だ。
このサトノフラッグは今年のディープ産駒の重賞10勝目。実はこれ、史上最速のペースである。
今年、ここまで平地重賞は25鞍。1月は京都金杯=サウンドキアラ、シンザン記念=サンクテュエール、フェアリーS=スマイルカナで3勝。2月は東京新聞杯=プリモシーン、クイーンC=ミヤマザクラ、京都牝馬S=サウンドキアラ、小倉大賞典=カデナで4勝。3月1週目は中山記念=ダノンキングリー、阪急杯=ベストアクターで東西重賞をゲットし、弥生賞が10勝目というわけ。
これがいかに凄いかは過去の記録と比較するとよく分かる。
ディープ産駒が重賞勝ち数を「30」の大台に初めて乗せたのは14年。この時の重賞10勝目は4月6日の大阪杯(勝ち馬はキズナ)。37勝で最も多い16年は3月20日、スプリングS=マウントロブソンで達成している。つまり、今年はこれより2週も早い計算だ。
ちなみに、今年の通算勝ち鞍は3月1週終了で59勝。同じ時点で比較すると、自身最多の年間265勝を挙げた18年でも34勝。最も多かった16年でも51勝だった。
その父サンデーサイレンスが種牡馬として初の年間300勝(最終的には302勝)の03年でも54勝。ディープ自身は残念ながら昨年、この世を去ってしまったが、まだ2歳世代もたっぷり出てくる。このペースなら新記録樹立があるかもしれない。
また、今年のディープ産駒の重賞成績で特徴的なのは“おいしい”ことだ。
前記の14、16年とも1番人気で11勝、2番人気で9勝だった。だが、今年は1番人気で勝ったのがサウンドキアラの京都牝馬Sとダノンキングリーの中山記念のみ。ベストアクターの阪急杯は6番人気で単勝22・3倍など、比較的人気薄での勝利も多く、単勝回収値は194円、複勝でも140円。全頭買う、いわゆる“ベタ買い”でも利益がたっぷり出るのが、これまでと大きく違う。
今週は平地4重賞。ファルコンSの出走はないが、中山牝馬Sはコントラチェック、レッドランディーニ。そして金鯱賞はサトノの2頭とギベオン。フィリーズRは抽選突破なら最大3頭が出走してくる。重賞ではまずディープ産駒に注目したい。