外国馬「ゼロ」はJCだけではない
「ついにこの日が来てしまったか」
そう思ったのは先週の土曜日。JRAから今年のジャパンCに出走する外国馬がゼロという発表があったのだ。
昨年のJCで予兆を感じていた。アーモンドアイが二千四百メートル2分20秒6という驚異的なレコードをマークしただけでなく、外国馬2頭がただ回ってくるだけで⑩⑪着に終わったから。
確かに日本の、特に東京は異常なほど速い時計が出るのは間違いない。決して芝がカチンコチンなのではなく、「走りやすい馬場」という声が多いのも事実。それでも、恐らく欧州などのホースマンには全く届いていないのだろう。
JCだけなら施行時期の問題が第一ということになる。だが、実は今年、外国調教馬はここまでJRAのどの競走にも出走しておらず、完全にガラパゴス化しているのだ。先週のエリザべス女王杯からチャンピオンズCまで続く「ジャパン・オータムインターナショナル」という言葉が、むなしく聞こえる。
さて、長くなってしまったが、ここから本題。
まず、エ女王杯(写真)は◎ラッキーライラックが勝ったが、レース内容は想像を大きく超えるものだった。
クロコスミアの単騎逃げで5F62秒8の超スロー。しかも、2番手に人気のラヴズオンリーユーがいて、これが動かないものだからレースが完全に膠着。そのまま直線を迎えて、◎は「後ろ過ぎる」と見ていた。
ところが、結果は知っての通り。スミヨンが上がり32秒8の脚を引き出し、インから抜けてきたから驚きが大きかった。
レースの上がりが34秒6だから、残り600メートルで先頭から1秒8も後ろに。1~3番手が②~④着という完全な先行決着を差した点に価値がある。
人気のラヴズは好スタートから前へ。これも意外だったが、ラップを見ればM・デムーロの判断は間違っていない。自身はあくまでも差す競馬の位置。他馬が後ろにいっぱいいただけのことだ。結果として休み明けが響いたということだろう。
東京で時計的に評価できるのは、アオイシンゴが勝った土曜8R3歳上1勝クラス。千六1分32秒3は上のクラスでも通用するもの。今回は1年5カ月の休養からのたたき2戦目で、その前は2勝クラス(当時は一千万条件)で②着3回③着1回の実績馬だ。
また、このレースはメンバーのレベルが高く、18頭中11頭が前走で掲示板入りしていた。今回は着順こそ大きくても、⑦着ヘイワノツカイ、⑧着ミトロジーあたりまでは現級上位の考えでいい。
ダートではGⅢ武蔵野Sで⑤着のサンライズノヴァを。前走の南部杯が珍しい早めの競馬でタイトルゲット。今回も代打の森泰が踏襲する形で2番手グループで競馬を進めたものの、5F58秒6のハイペースで59キロを背負っては、残り1Fでギブアップも仕方ない。
ただ、この前めの結果は次走のチャンピオンズCで生きてくるかも。重い印を打つ予定でいる。