【エリザベス女王杯】名手スミヨン7年越しの恩返し ラッキーライラックで父オルフェの危機を救う

公開日:2019年11月11日 17:00 更新日:2019年11月11日 17:00

 今年のエリザベス女王杯を勝ったのはスミヨン鞍上のラッキーライラックだった。

 これが世界のトップジョッキーということなのだろう。以前のラッキーライラックといえば好位付けから正攻法で進める競馬スタイル。それが今回はまるで違った。

「うまく位置を取れなくて後ろに」

 レース後にそうスミヨンが話したように道中はイメージとは離れた中団からに。ただ、それでもリカバリーするのが名手だ。道中はロスなく立ち回って、脚をためにためた。そして素晴らしかったのが4角から直線だ。

「加速がついたので外を回ろうとも思ったけど、内があいていた」からスペースができた最内へ。それまでレース全体がスローで流れていたことを思えば、外を回していればどうなっていたか、分からない。この一瞬の判断が大正解。終わってみればラスト3F32秒8の鬼脚を初騎乗で引き出したのだから、“お見事”というしかない。

 まさに腕が光ったスミヨン。そんな名手にとって、ここは“恩返し”の場にもなったかも。

 ラッキーの父はオルフェーヴルで、ともに凱旋門賞を戦ったのがこのスミヨンだった。12、13年と連続②着。特に12年はゴール寸前まで先頭での惜しい首差だ。

 オルフェは14年から種牡馬生活に入ったが、初年度産駒からこのラッキーやエポカドーロとGⅠ馬を出したものの、当たり、ハズレの大きさが嫌われたのか、近年は人気が下落。初年度が244頭の種付けで600万だった種付け料も、今や400万、種付け頭数は52頭に。同期のロードカナロアが500万から1500万と人気沸騰となっていることを思えば、歴然とした差があった。

 それが今回で同産駒の初となる古馬GⅠ制覇。成長力もアピールできただけに、危機を救ういい勝利になったか。

 しかも、現2歳世代には出世レースの百日草特別を勝ったホウオウピースフルなど2戦2勝馬が2頭おり、先週の京都ではラッキー以外にも続々と勝って、4勝を上積みした。このGⅠ勝ちは、人気凋落の父オルフェーヴルを大いに元気づけたに違いない。

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